世間ではインフルエンザが流行っているようですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今年は春以降、Lina Sastri, PFM, Milva と珍しくイタリアのアーティストの来日ラッシュがあるようなので、当サイトも少しでもシーンが盛り上がるように努力していきたいと思います。
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数) |
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Osanna / Taka boom (2001) Afraka, SIAE CDEL 2004. (全12曲) '70年代に活躍したプログレッシブ・ロック・バンド Osanna の再結成復活第一弾。オリジナルメンバーの Lino Vairetti (vo, g, org), Danilo Rustici (g) に加えて "Suddance" 時のベーシスト Enzo Petrone (b) の3人を中心に Gennaro Barba (ds), Gigi Borgogno (g), Luca Urciuolo (p, key), Vito Ranucci (sax) の4人のサポートメンバーを加えた7人編成の大所帯でレコーディングされています。今作では新曲4曲と旧曲のリアレンジ物が渾然一体となった作りとなっています。オープニングは "L'uomo" の2001年バージョンで、幾分ファンキーなアレンジでオリジナルとは一味違った仕上がりになっています。続く2部構成の新曲 "Ce vulesse ce vulesse" では "Suddance" 収録の "Ce vulesse" をモチーフとしたヴォーカル部分と後期 Van Der Graaf Generator を思わせる鳴りっぱなしのサックスを中心にした攻撃的な演奏の対比が印象的です。アコースティック・メドレーでは "Oro caldo" のサビで始まり "Milano calibro 9" "L'uomo" からの曲が続きます。旧曲は "Landscape of life" を除く各アルバムから選曲されていますが、ファーストアルバムから最も多くの曲が選ばれており、原点回帰といった意識が感じられます。全体的にプログレ色は薄いものの、攻撃的なサックスと Lino のヴォーカルを生かしたイタリアらしいロックに仕上がっています。ラストは "L'uomo" のアコースティック・ライブ・バージョンで締めくくられています。なお、このCDはマルチメディア・トラックも収録されていますが、Windows の実行ファイル形式のため Mac では残念ながら見ることはできません。 |
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Donella Del Monaco / Fragments 1975 - 2002 (2002) publigas, 075. (全12曲) Opus Avantra のヴォーカリストとして知られている Donella Del Monaco の未発表音源を含むアーカイブ集。1975年の Opus Avantra 時代から最新録音までの作品が一同に集められています。収録年代が多岐に渡っているために作品としての統一性には欠けますが、彼女の熟れた果実のような甘美なヴォーカルを楽しむことができる作品と言えましょう。1曲目の "Chant et deport" は Opus Avantra を想起させるピアノと弦楽器とのコラボレーションの上を豊潤な彼女のヴォーカルが漂う様が圧巻です。"Banana boat" は Harry Belafonte の歌唱で有名なあの曲です。このアルバムの目玉は Opus Avantra の幻のセカンド・シングル "Allemanda / Flowers on pride" の各曲が収録されていることでしょう。"Allemanda" の方は以前発売された Opus Avantra のセカンドアルバム "Load Cromwell plays site for seven vices" のCD化の際にボーナストラックとして収録されていましたが、"Flowers on pride" の方はアルバム・バージョンとは異なり彼女のヴォーカルによるオリジナル・バージョンとなっており、初CD化となるため超レア盤であるシングルを持っているという奇特な方以外には朗報です。ヴォーカル・スタイルを含め声楽よりの作品ではありますが、ポップス・ファンにも充分楽しめるポピュラリティを兼ね備えた仕上がりとなっています。 |
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Fabrizio De André / In concerto volume II (2001) nuvole, 74321867622. (全12曲) Genova の重鎮、故 Fabrizio De André の最後となってしまったライブツアーを収録した "in concerto" の続編が前作から約2年ぶりにリリースされました。オリジナル・アルバムのラスト作となった "Anime Salve" からの曲を中心に地中海音楽色を押し出した "Creuza de ma" "Le nuvole" といったアルバムからの選曲が大多数を占めています。ほとんどの曲は前作同様1997年から1998年のツアーからのものですが、"La domenica delle salme" と "Don Raffae'" の2曲は1991年のツアー("1991 Concerti" と同じもの)が収録されています。各種民族楽器を交えたアコースティック中心の演奏をバックにした彼の燻し銀のようなヴォーカルは何度聞いても圧倒的な存在感を示しており、ベテランにしか出せない深みを感じさせてくれます。PFM との共演ライブでも披露した代表曲 "Bocca di rosa" も新たなライブ・アレンジで甦り、アルバムラストとなる "Smisurata preghiera" の後半はその後の彼の急逝を予感させるかのようなレクイエムのごとき静かなエンディングを迎えます。1997年〜 1998年のラストライブツアーでは Cristiano と Luvi との親子共演も果たしており、充実した音楽人生を送ってきたのだということをしみじみと感じられます。決して派手さはないものの、言葉の壁を越えた説得力を持ったその深みのある歌声は絶品で、イタリア音楽のファンなら必ずアルバムの1枚は聴いておきたいアーティストだと思います。 |
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Grazia Di Michele / naturale (2001) Compagna Nuove Indye, CNDL 13195. (全10曲) フォーク・タッチの作風とアンニュイな歌声で人気のカンタウトリーチェ Grazia Di Michele の最新アルバム。本作は彼女の作品ではお馴染みの Lucio Fabbri (5月にPFMと共に来日予定)と Filippo De Laura の共同プロデュースとなっており、アレンジも2人で担当しているほか演奏でも全面的に参加しています。1曲目の "Tutta colpa dell'inciso" はリズミカルなコーラスをバックに爽やかなヴォーカルを聴かせるアップテンポな曲です。続く "Desidero desiderare" はアンニュイな彼女のヴォーカルが印象的な地中海ポップスとなっています。"Amore di passaggio" は自身のアコースティック・ギターによる弾き語りを基調とした、しっとりとした歌声を聴かせてくれます。"A mio figlio" では切々と訴えかけるようなヴォーカルが徐々に盛りあがっていき、特徴のあるメロディラインと歌い回しが印象に残ります。"Disamorato" では仄かにトラッドの香りを漂わせた印象的なメロディに彼女の爽やかな歌声がうまくマッチしています。"Il tempo" は Rossana Casale との共作で、リリカルなピアノをバックにしっとりと歌い上げています。ラストの "Batticuore" ではゲストの Luca Madonia との艶のあるデュエットを聴かせてくれます。全体的に大人の女性を感じさせる落ち着きのある地中海ポップスの佳作に仕上がっています。 |
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Cesale Basile / Closet Meraviglia (2001) Viceversa, 7243 8 11425 2 3. (全13曲) 若手カンタウトーレ Cesale Basile の前作から約3年ぶりのニューアルバム。本作は Hugo Race と彼自身の共同プロデュース作となっており、前作同様に全曲彼自身の作詞・作曲でほとんどの曲でギターも弾いています。オープニングの "Candelaio" はゆったりとしたリズムの中、暗闇から浮き上がってくるような退廃的なヴォーカルが印象的な内省的なロックサウンドを聴かせてくれます。"Di schianto" はギターのカッティングの上を呟くようなヴォーカルが乗るフォーク・ロック調の曲で、バックを彩るバイオリンの調べが耳に残ります。"Nostra signora dei coltelli" はブラス・セクションが活躍するアバンギャルド色の強い曲で、ノイジーなギターが混沌とした音世界を演出しています。"La suonatrice di Hammond" はタイトル通りハモンド・オルガンが大活躍する、3拍子のリズムが印象的な曲です。アルバム・ラストの "Qualche cosa lì fuori (reprise)" は3人組の Massimo Volume との共演によるリズムを強調したバージョンが収められています。前作に較べるとかなりアバンギャルド色が強くなっているため、万人向きとは言えませんが完成度の高いロック作品に仕上がっています。 |
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