今回は大好きな Pooh の新譜の入荷に合わせて急遽更新することにしました。約2年半ぶりの新譜は期待を裏切らない好作品となっていますので、初心者の方にももちろんお勧めできます。願わくば国内盤が発売されて、より多くの方にとって容易に入手できる体制を整えて欲しいものです。
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数) |
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Pooh / Un posto felice (1999) CGD east west, 3984 27171-2. (全10曲) Pooh のオリジナルアルバムとしては約2年半ぶりの最新作は、「幸福な場所」という意味のタイトルにしては意味深なジャケットデザインに包まれています。アルバム構成も前2作 (Musicadentro, Amici per sempre) とは異なっており、4人でヴォーカルを回していく1曲目の "Se balla sa sola" とラストの "20,000 leghe sopra i cieli" を除くとメンバーの一人がリードを取り、他のメンバーがコーラスと付けるタイプの曲がほとんどとなっています。今作でも各曲で Dody のギタープレイのバリエーションを堪能でき、彼の演奏技術の懐の深さを再認識できます。アップテンポで幾分ハードな "Dimmi di si" や Red のフレットレスベースが印象的な "Ricostruire un amore"、感動的なラストの "20,000 leghe sopre i cieli" など聞き所満載です。ぜひ国内盤の発売を期待したいと思います(片山伸さん御尽力お願いします!)。 |
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Fabrizio De André / in concerto (1999) BMG Ricordi, 74321656992. (全15曲) 今年1月に亡くなった故 Fabrizio De André のラストアルバムは、1997年から1998年にかけてのツアーの模様を収録したライブアルバムとなっています。ほぼアコースティックな編成で、メンバーには彼の息子のカンタウトーレ Cristiano De André およびコーラスで娘の Luvi De André も参加しています。新旧取り混ぜた全15曲を収録しており、1枚物ながら主な代表作をまんべんなく収めているので入門用にも最適です。やはり聞き所はスタジオ作としてはラストアルバムとなってしまった1996年の "Anime salve" からの "Princesa" "Khorakhané" "Dolcenera" のライブバージョンが聴けることでしょうか。後半は'70年代の代表曲を多数やっています。できれば2枚組フルボリュームで出して欲しかったと思います。また、収録曲が多少異なるライブビデオも出ているようです(限定版らしいです)。 |
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Eros Ramazzotti / Live (1999) DDD, 74321 623782. (全15曲) 今やイタリアを代表するカンタウトーレに成長した Eros Ramazzotti の1998年のツアーを収録したライブアルバム。彼の場合は声質が非常に独特なので、そこで好き嫌いが分かれるかも知れませんが、根底にはイタリア色がかなりあるアーティストなのでイタリアンポップスの入門用にもいいと思います。ゲスト参加の Joe Cocker とデュエットしている "That's all I need to know / Difenderò"、Tina Turner とのデュエット "Cose della vita / Can't stop thinking of you" を収録しており、彼の人気と知名度の程を知ることができます。個人的には'96年にイタリアに行った時にラジオでよくかかっていた "La cosa mas bella" や "Dove c'è musica" あたりが印象的です。 |
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Lost Tales / A volo radente (1999) Mellow Records, MMP 354. (全8曲) シンフォニックスタイルの新人プログレッシブロックグループのデビューアルバム。編成は key, g, b, ds の4人で、ヴォーカルはキーボードの Andrea Simonetto とドラムの Paolo Cordella が担当しています。レーベルからは Le Orme タイプとして紹介されていますが、もっとシンフォニック色が強いです。情感溢れるヴォーカルパートは Orme を連想させる部分もありますが、押しのパートと引きのパートのバランスが良く、テクニック的にも水準が高く、玉石混合の感のある Mellow Records の中では久々の大型新人と言えましょう。ヴォーカルの比重も高く、歌メロにもとって付けたような不自然さはなく、いかにもイタリアのシンフォニックロックといった曲調にも好感が持てます。 |
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Gianmaria Testa / Lampo (1999) tot Ou tard, 3984 24316 2. (全12曲) フランスはパリに活動の拠点を置くカンタウトーレ Gianmaria Testa の最新アルバム。レーベルもフランスのものですし、制作に携わっているメンバーもフランス人が多いようです。Arthur H 作のフランス語詞の "Petite reine" を除いて自作のイタリア語詞ですが、全曲フランス語の対訳付きです。曲調もイタリア色は薄く、地味めで渋い感じで、イタリア語によるシャンソンと言った趣です(決してフレンチポップスではない)。敢えて例えると初期の Fabrizio De André のような感じでしょうか(Georges Brassens に影響を受けていた頃)。タイトル曲の "Lampo" はアコーディオンが印象的な曲で、イタリア語で歌われていますがほとんどシャンソンと言っていい曲調です。非常に地味な作品ですが、出来はいいので興味のある方にはお勧めできます。 |
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