関東地方はいよいよ梅雨入りしましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。更新間隔が少し空いてしまいましたが、これからも継続して更新していくつもりなのでよろしくお願いします。ほとんど反響がないもので、できれば感想などメールでくださると有り難いです。
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数) |
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Timoria / 1999 (1999) Polydor, 559 975-2. (全12曲) 10年以上のキャリアを誇るロックバンド Timoria のフルアルバムとしては8枚目(ベスト盤を含む)の最新アルバム。本作ではメンバーは6人(ds, key, b, g, vo, perc)でほとんど全員がヴォーカルをとっています。非常に多様な音楽性を有しており、演奏の水準もかなり高いようです。またベースが全面に出てくるアレンジが日本の L'Arc~en~Ciel を想起させます(あくまでアレンジについてです)。1曲目の "Deserto" では '70年代のプログレを想わせるストリング音色のキーボードの音の洪水が印象的です。3曲目の "È così facile" は '70年代初期の Pooh を想起させるような曲調で、バンドのコーラスワークの水準の高さが伺えます。また、4曲目の "Un volo splendido" はスピード感溢れる曲で、前に出るベースと見事なコーラスワークを伴う彼らの本領が発揮されたベストテイクと言えましょう。静かなバラードの "Genova" では情感豊かなヴォーカルも聴くことができます。また、ゲストヴォーカルを迎えた "Il maestro" ではラップを披露しています。作風がバラエティに富んでいるために一聴しただけでは特徴が捕らえにくいところもありますが、非常に高水準なバンドだと思います。 |
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Cesare Basile / stereoscope (1998) Blackout, 538 074-2. (全13曲) 若手カンタウトーレ Cesare Basile のデビューアルバム。全曲彼自身の作詞作曲で、さらに全曲でギターを弾いています。1曲目の "Incendiami la vita" はスピード感溢れる曲で、彼自身の弾くギターがロック色を強調しています。その他の曲は比較的内省的なロックサウンドになっており、彼の気だるいヴォーカルと相まってアンニュイな雰囲気を醸し出しています。このタイプでは2曲目の "May Day" や6曲目の "Come neve sui teneri" が秀逸です。どの曲にも彼のギターが大々的にフューチャーされており、カンタウトーレの作品というよりもギタリストのソロアルバムといった感じもします。全体としてギターの方に力が入りすぎているきらいがありますが、ヴォーカルにもなかなか個性的な味があり今後が楽しみなアーティストです。 |
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Gianni Morandi / celeste azzurro e blu (1997) BMG Ricordi, 74321509742. (全12曲) イタリアを代表するベテラン二枚目シンガー Gianni Morandi の1997年のアルバム。この人は結構な歳のはずですが、1997年にイタリアに行った際にテレビの音楽番組に出演していたのを見たときの印象が非常に若々しくて驚いたのを覚えています(この時に Claudio Baglioni も若々しく、Umberto Tozzi がおっさんになっていたのも驚きました)。サウンドの方も現代的な感覚を大胆に取り入れ、かつてのサンレモの常連も今やすっかり洗練された音作りとなっています。1曲目の "Dove va a finire il mio affetto" はリズミカルなベースとピアノのフレーズが印象的なミドルテンポの佳曲です。また、3曲目の "Forse non ci lasceremo mai" は朗々と歌い上げるバラードで、彼の歌唱力を堪能できます。さらに、6曲目の "Vento" では彼の高音部の伸びのある歌声が楽しめます。全体として非常にバランスの取れたアルバムに仕上がっています。 |
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Balletto di Bronzo / TRYS (1999) Mellow Records, MMP 367. (全11曲) 1970年代初期に活躍していたヘビーシンフォニックロックバンド Balletto di Bronzo のキーボード奏者だった Gianni Leone が、弟分のバンド Divae のリズムセクションを従えてキーボードトリオ編成でバンドを再編させて1996年のプログレッシブ・フェスティヴァルに参加した際の音源を収録したライブアルバム。名作と名高い2ndアルバム "YS" から全曲とアルバム未収シングル曲、Gianni Leone が Leo Nero 名義で出した2枚のソロアルバムからの曲が収められており、キーボードトリオ編成ながら迫力のある演奏を聴かせてくれます。聞き所はやはり "YS" からの曲で、オリジナルでの退廃的なトーンが特徴的だったギターがいない分をキーボードの複雑なフレーズで補ってなお余りある渾身のパフォーマンスと堪能できます。編成の関係もありアレンジが異なっているパートも多く、ライブならではの勢いを感じさせる作品に仕上がっています。 |
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Umberto Tozzi / aria & cielo (1997) CGD east west, 3984 20118-2. (全10曲) Laura Branigan が全米チャートで英詞で歌いヒットさせた "Gloria" の作者として知られるベテランカンタウトーレ Umberto Tozzi の1997年のアルバム。以前の作品に比べるとロック色が幾分後退し、落ち着いた感じのポップスアルバムになっています。見た目は Gianni Morandi のところでも触れたように髭をはやしていることもあり、すっかりおっさんになっていますが、相変わらずパワフルなヴォーカルを聴かせてくれます。オープニングのタイトル曲はスピード感があり、以前のスタイルに近い音作りになっています。8曲目の "navi" はアコースティックギターとキーボードオーケストレーション、そしてコーラスが印象的なソローバラードになっています。ハイライトはラストの "a cavallo di un cavallo indiano" で、彼らしいロック色の強いサウンドを聴かせてくれます。 |
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