アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Dr. Livingstone / Al
centro del mondo (1999) CGD east west, 3984-26665-2.
(全11曲)
今年(1999年)のサンレモ音楽祭の新人部門に参加した、女性ヴォーカル
Anna Basso
を擁した6人組のバンドのサンレモ音楽祭参加曲をタイトルに冠したニューアルバム。編成は
vo, ds, key, sax, g, b & stick
となっています。サウンドの傾向はニューウェーブの洗礼を受けており、分厚いキーボードにテクノ調の電子音が絡む上にサックスが加わるところにオリジナリティが感じられます。曲の大部分はキーボードの
Andrea Bove によるもので、キーボードが派手な "Specchio"
やMIDIコントロールされた尺八風の音色のサックスが印象的なタイトル曲
"Al centro del mondo"
など佳曲揃いです。ラストにタイトル曲のスタジオライブバージョンが収録されており、スタジオ作とは異なるラフな印象の演奏を聴かせてくれます(特に
David Jakson 風のサックスが聞き所です)。
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Andrea Bocelli /
Sogno (1999) Polydor, 547 222-2. (全14曲)
自動車のCMにも使われた曲(Time to say goodbye)を含む前作
"Romanza"
からポップアルバムとしては約2年ぶりの新作。基本的にはクラシック畑の人なのですが、ポップセンスもあり、クラシックの人にありがちな必要以上の大仰さは感じられません。声域が広く伸びやかな歌声は最近のイタリアでも珍しく、新鮮に感じられます。1曲目の
"Canto della terra"
はシングルになった曲で、ドラマチックな歌声を堪能できます。"The
prayer" ではグラミー賞歌手になった Celine Dion
とのデュエットを聴かせ、"'O mare e tu" ではポルトガルの歌姫
Dulce Pontes ともデュエットしています。さらに "Nel cuore
lei" では Eros Ramazzotti
とのデュエットも聴くことができます。全曲英詞対訳つき。なお入手しやすい国内盤も発売されています。
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Soon / Spirale
(1997) Black Out, 534 931-2. (全14曲)
前回紹介した "Scintille"
から1年ぶりのセカンドアルバム。今回もほとんどの曲を Odette
Di Maio
嬢が手がけています。前作が非常にポップ色が強かったのに対して、今作ではロック色が強まってきており、ヴォーカルもキュートな歌声だけでなく、曲によっては絞り出すようなラフな唱法も加わっています。気だるい雰囲気の
"Spirale1" で始まり、かなりロック色の強いアレンジの
"Spirale2" やラフなヴォーカルを聴かせる "Libera dentro"
など前作とはかなり印象の異なる曲も収録されています。スピード感溢れる
"Tutto si mescola" やギターポップの王道を行くような "Sopra
la media"
など曲のバリエーションも多く、全体的にバランスのとれたアルバムとなっています。
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Camilla /
Battiti (1996) Mercury, 532 236-2. (全13曲)
テレビ番組の司会(メインではなくアシスタントですが)などもこなすマルチタレントの
Camilla の1995年のアルバム "Battiti"
に1996年のサンレモ音楽祭参加曲を加えてジャケットデザインを変更したアルバム。そのサンレモ参加曲
"Zerotretresette"
はプッシュフォンの音で始まり、静かな冒頭部からソウルフルなヴォーカルを聴かせる佳曲です。そのカップリング曲であった
"Le mie mani" は Albert Hammond の "Have mercy"
にイタリア語詞を付けたものです。"Battiti"
からの曲も佳曲が多く、全体的な傾向はソウルテイストを加味したAORです。声質も良く美声と言っていいタイプで、歌唱力も備わっているので安心して聴くことができます。個性の強いタイプの多いイタリアでは珍しくスタンダードタイプの女性歌手なので、万人にお勧めできます。
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Stefano Borgia / Con
chi lo guardi questo cielo (1998) It, IT 491363/2.
(全9曲)
若手のカンタウトーレ Stefano Borgia
の最新アルバム。ダミ声で切々と歌い上げるタイプで、適度にフォーク色とポップ色が同居しており、最近では珍しくイタリア色の濃いアーティストと言えましょう。タイトル曲の
"Con chi guardi questo cielo"
は哀愁漂うバラードで、彼のダミ声が非常にマッチしています。ジャケットデザインに使われている犬とのことを歌った
"Io e il mio cane"
のようなポップな曲も魅力的ですが、大半の曲はバラード調で、彼の本領はこのタイプの曲にあると思います。Itレーベルには良くあることなのですが、収録時間がCDとしてはやや短めなのが惜しいところですが、佳曲揃いのアルバムに仕上がっています。
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