第8号
(30/01/1999)
新年2回目の更新なのですが相変わらず新譜の入荷が少なく、これと言って気に入ったものはないので、ビッグネームの旧譜を中心に取り上げてみました。Le
Orme の作品は今のところ最新作です。
アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Angelo Branduardi /
Camminando Camminando (1996) EMI Italiana, 8527502 9.
(全17曲)
ベテランカンタウトーレ Angelo Branduardi
の1994年のアルバム "Domenica e Lunedì"
の発表ツアー(1994/11〜1996/4)の模様を収めたライブアルバム。ツアーメンバーは
Angelo Branduardi (vo, g, vl, p), Ellade Bandini (ds, perc),
Maurizio Fabrizio (g, p, key), Claudio Guidetti (g, key, b,
stick)
の4人編成で、曲によってはゲストが参加しています。小編成ながら、アコースティック色を全面に押し出した充実した演奏を聴かせ、各時代の代表曲をおおむね収録しています。アルバムタイトルは
"Domenica e Lunedì'" に収録されていた "I Santi"
(本作14曲目)のサビのフレーズから採ったもののようです。また、本作が好評だったため、"Camminando
Camminando" ツアーが6人編成で行なわれ、その模様が Video
"Tour Camminando Camminando..." として発売されています。
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Le Orme / Amico di ieri
(1997) Tring, TAP 014. (全11曲)
ベテランロックバンド Le Orme
の再編第2弾アルバム。今回は彼らの代表曲の再録となっています。メンバーはオリジナルの
Aldo Tagliapietra (vo, b, g) と Michi dei Rossi (ds, perc)
に2人のキーボーダー Michele Bon とFrancesco Sartori
を加えた4人編成になっています。収録曲は1971年の "Collage"
から1976年の "Verità nascoste"
までの5枚のアルバムからの10曲に1976年のシングル曲 "Canzone
d'amore" を加えた11曲で、8曲目のインストナンバー "Collage"
を除くと全曲歌ものとなっています。また、ラストの "La porta
chiusa"
を除くと3〜5分のコンパクトな曲が並んでおり、プログレ期の作品ながら彼ららしい歌心に溢れた曲を中心に選曲されているので、プログレは苦手という方も安心して聴けるのではないかと思います。また、'70年代には心もとなかった演奏力もさすがに長年のキャリアのなかで安定しており、曲の完成度も当時より高くなっています。
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Franco Battiato /
L'imboscata (1996) Mercury, 534 091-2. (全10曲)
第3号で最新作を取り上げた Franco Battiato
の1996年のアルバム。新作の "Gommalacca"
は幾分地味な作風でしたが、本作は Battiato
流ロックンロールアルバムといった趣が強く、曲・演奏ともに派手なものが多く、とてもゴージャスな作品に仕上がっています。そうは言っても彼のことなので一筋縄ではいかない実に手の込んだアレンジが施され、聴き手を引き込む不思議な魅力に溢れています。オープニングの
"Di passaggio" から "Strani giorni"
の流れは絶品で、その他の曲もアルバム全編に渡ってテンションが高く、極めて完成度の高い作品となっています。彼の作品は実験色が前に出すぎて一般の人には取っつきにくい物もありますが、本作は万人に受け入れられる出来になっています。また、本作をひっさげて行なわれたツアーの模様は
Video "L'imboscata live tour 1997"
として発売されています。
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Salis / Dopo il buio la
luce (1978) Giallo Records, SAF 031. (全8曲)
1970年代に活動していたプログレバンド Salis
のラストアルバムのCD再発盤(1998年リリース)。Salis
兄弟を中心とするバンドで、本作が3作目になります。1978年と言うとイタリアではプログレ衰退期に当たり、大物バンドも路線変更を始めていた時期ですが、このバンドはどういうわけか一番プログレらしい作品を作ってしまいました。Locanda
delle Fate や Sensitiva Immagine
と並びイタリアンプログレ最後の輝きと言ったところでしょうか。作風は典型的なシンフォニックスタイルで、静と動の対比を生かした曲構成になっており、幾分ジャズロック的な味付けもされています。ヴォーカルパートは少ないものの、味わい深いイタリアらしい歌を聴かせ、時折聴かれるフルートも作品に奥行きを持たせています。強い個性は感じられないものの、水準以上の出来と言えましょう。
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Lucio Battisti / Don
Giovanni (1986) Numero Uno, 74321-19415-2.
(全8曲)
昨年9月に亡くなった御大 Lucio Battisti
の1986年のアルバムのCD再発盤(1994年リリース)。1970年代の作品のようなゴージャスなバックを従えた分厚いアレンジは影を潜め、デジタル機材によるシンプルなアレンジの上を淡々としたヴォーカルが乗る作風となっています。しかしながら、作品としてのヴォルテージは下がるどころか、シンプルな分だけメロディーの良さが浮き上がり、実に美しいアルバムに仕上がっています。シンプルであるが故にイタリアの音楽の歴史を変えた彼の「声」の剥き出しの魅力が堪能できる作品と言えるのではないでしょうか。全曲
Battisti の作曲、Pasquale Panella
の作詞となっており、1曲目の "Le cose che pensano"
が秀逸ですが、その他の曲も十分魅力的で、聞きどころがいっぱいです。。現在ではジャケットデザインが若干変更されています。
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