しばらく更新が滞っていましたが、秋のリリースラッシュが一段落したために単に新ネタがなかっただけです。もっとも、今現在も新ネタは少ないので、ここ2〜3年の間に聴いたもののうち気に入ったものを紹介します。
アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Gianni Togni / Cari
amori miei (1996) CGD east west, 0630-11677-2.
(全15曲)
私の大好きな Gianni Togni のCGD
レーベルでのベストアルバム。 1980年のセカンドアルバム "... e
in quel momento 〜" から 1988年のアルバム "Bersaglio mobile"
までの8枚のアルバムからの曲に加え、CGD
復帰後の1996年の新曲"Cari amore miei" (シングル曲)と "Mi
salvo con te"
を1曲目とラストに配した構成になっています。2〜4枚目の "Luna"
"Semplice" "Io e te"
の3曲はリミックスになっており、LPの時にはアルバム未収シングルだった
"Giulia" (アルバム Stile libero 時)
も収録されています。また、アルバムカバーの内側には歌詞と各曲が収録されていたアルバムのジャケット写真が掲載されています。彼の場合は声に特徴があり、そこで好き嫌いが分かれるかも知れませんが、初期の弾けるようなポップな曲からオーケストラをバックに従えて切々と歌い上げるような曲まで、どのタイプの曲も水準以上の出来になっています。現在入手できるのはこのベストアルバムとその前の
DSB レーベルから出た "Singoli" 及び 1997年の "Ho bisogno di
parlare"
の3枚くらいなので、是非ともオリジナルアルバムのCD再発を期待したいものです。
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Teresa De Sio / Primo
viene l'amore (1997) CGD east west, 0630-19408-2.
(全15曲)
ナポリの歌姫 Teresa De Sio
のベスト選曲によるライブアルバム。1997年の2月から3月に行なわれたライブツアーの6箇所の公演から15曲が収録されています。1曲目の
"E vulesse addeventare" とラストの "Rodianella"
はトラッド曲で残りは彼女のオリジナル曲です。ほとんどアコースティック編成で演奏されており、彼女自身もギターを弾いています。トラッドの影響を受けた歌い回しが特徴的で多少癖がありますが、躍動感に溢れた曲調でライブということもあり非常に生き生きとしており、楽しいアルバムに仕上がっています。アルバムカバーにはライブツアーの模様などの写真が掲載されており、少しではありますがライブの雰囲気が伝わってきます。トラッドの影響を受けたポップスとしては絶品だと思います。
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Mario Castelnuovo /
Signorine Adorate (1996) Giungla Record, 74321335162.
(全12曲)
ファーストアルバムがプログレファンの間で話題になったカンタウトーレ
Mario Castelnuovo の最新アルバム。彼は再結成された Formula 3
などに曲を提供したりしていますが、自分自身のアルバムもわりとコンスタントに発表しており、今作は6〜7作目にあたるのではないかと思います。基本的に曲調は地味めで、アレンジで聴かせるタイプなのですが、キーボードオーケストレーションに乗ると非常にドラマチックに聞こえるという不思議な魅力があります。アルバムによってはアレンジが地味なために印象の薄いものもありますが、今作は見事にはまったアレンジがされており、魅力的な作品に仕上がっています。
"Ma vie je t'aime" や "Nudo amore"
といったあたりの曲が特に出来がいいです。現在では同時期に同じジャケットデザインのケルト音楽のコンピレーションアルバムが出たためか、アルバムデザインが変更されています。
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Rossana Casale / Nella
notte un volo (1996) CGD east west, 0630 13654-2.
(全11曲)
ジャズシンガーという一面もあるカンタウトリーチェ Rossana
Casale
のオリジナルとしては最新アルバム。ポップシンガーとしてはトラッドの香りのある作風が特徴になっており、今作ではそれに加えて夜のイメージが色濃く反映されており、非常に穏やかな印象の作品になっています。1曲目の
"Onde" からラストの "L'attesa"
まで、共作を含めて全曲彼女自身のペンによるもので、アコースティックな感覚を生かした美しい曲が並んでいます。数曲で
Tosca がコーラスで参加しており、また、10曲目の "Una mano sul
cuore" は Eros Ramazzotti が曲を共作しています。"Onde" "Se
tu fossi qui" "Di nascosto"
といったあたりの曲が特にお勧めです。最近ベストアルバムがリリースされました。
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Matia Bazar / Benvenuti
a sausalito (1997) Polydor, 537 509-2. (全11曲)
Matia Bazar のヴォーカルが Laura Valente
に替わってから4枚目の最新アルバム。ヴォーカルが替わってから日本では不評な
Matia Bazar ですが、1枚目の "Anime pigre"
こそ準備不足の感が否めない出来であったものの "Dove le
canzoni si avvierano" 以降は Laura Valente
の個性を生かした水準以上の作品に仕上がっています。今作でも全曲メンバーによる共作となっており、前任者よりもセクシーな
Laura のヴォーカルを堪能できます。1曲目の "Canzone di notte"
はアコーディオン音色のキーボードが特徴的なサウンドになっており、"Sotto
il cielo del destino"
ではダイナミックなヴォーカルを聴くことができます。
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