MUSICADENTRO 第4号

第4号 (14/11/1998)

アルバム・カバー
アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数)

A-Live
Claudio Baglioni / A-LIVE (1998) Columbia, COL 491807 2. (全43曲)

イタリアを代表するカンタウトーレ Claudio Baglioni の最新ライブアルバム。"Anthologia dal vivo" とあるようにライブ音源による3枚組ベストアルバムとなっています。1枚目は1982年のライブアルバム "Alé-oó" と1986年のライブアルバム "Assolo" からの15曲が、2枚目は1992年のライブアルバム "Assieme" "Ancorassieme" と1996年のライブアルバム "Attori e Spettatori"からの14曲が、3枚目は1998年のシングル "da me a te" の発表ライブ "Allo stadio" からの13曲と未発表曲 "arrivederci o addio" の14曲が収録されています。各CDともに収録時間が77分前後あり、入門用にはボリュームがありすぎるかもしれませんが、彼の代表曲のほとんどを聞くことができるのでとてもお徳なパッケージとなっています。内容も彼の優れたメロディーメイカーとしての実力を示す選曲となっており、また会場と一体となった盛り上がりを見せ、彼の人気の程を伺い知ることができます。個人的には1枚目の "Ninna nanna nanna ninna" や3枚目の "Acqua dalla luna" New Trolls がカバーしたことでも有名な "Poster" などが気に入っています。デジパック仕様で、各ライブツアー時の写真を満載した38頁ブックレット付きです。

Exit
Alice / exit (1998) WEA, 3984 24879 2. (全13曲)

すでにイタリアを代表する女性ヴォーカリストとなっている Alice の最新アルバム。全体的には Francesco Messina と組んで以来の曲調ですが、近作で聴かれたアンビエント色が後退し、以前のドラマチックな作風が戻ってきています。また、約半数の曲を本人が共作を含め自作しており、キーボードも5曲ほどで弾いています。。彼女の魅力はその歌声で、低音部で張りのある非常に落ち着きのあるヴォーカルを聴かせてくれます。2曲目の "Open your eyes" は Juri Camisasca と Peter Hammill の作詞で Morcheeba の Skye Edwards (この人どういう人か知りません) がヴォーカルで参加しています。また、ラストの "L'Étranger" はタイトル通りフランス語で歌われています。ますます円熟した Alice の魅力が満載されたアルバムになっていると思います。

Pesce
Nuova Compagnia di Canto Popolare (NCCP) / Pesce d"o mare (1998) EMI, 7243 4 94099 2 7. (全12曲)

イタリアのコンテンポラリートラッドグループ NCCP の最新スタジオ盤。彼らは1992年に「東京の夏」というイタリアのクラシック音楽祭の一環として来日公演を行なったことがあります。来日公演では完全にアコースティック編成でしたが、最近はコンテンポラリー色が増しエレクトリックベースやキーボードも積極的に取り入れていて、よりダイナミックな作風になっています。本作では多数のゲストが参加しており、"Pesce d"o mare" にはヴォーカルで、"Festa d"o sole" にはヴォーカルとバイオリンで Angelo Branduardi が参加しています。ほとんどが自作曲となっており、トラッドのアレンジものは "Tarantella del gargano" と "Voccuccia de no pierzeco" の2曲にとどまっています。ケルト系ばかりが取り沙汰されるトラッドものですが、イタリアにも優れたトラッドグループが多数あるので興味のある方はぜひお試しください。

Anima
Serena / ANIMA SOUL (1997) Carosello, 300 601-2. (全19曲)

若手女性ヴォーカリスト Serena のおそらくファーストアルバム。いわゆるブラックテイスト溢れるダンスミュージックをやっていてイタリア色はほとんどありませんが、出来はいいです。歌詞がイタリア語でなければアメリカあたりの新人といわれても不思議ではない感じの作風です。日本でいうと Misia あたりに近い感じでしょうか。短い間奏曲を挟みながらトータルなアルバム構成になっているようで、そのため曲数は19曲と多くなっています。個人的にはベースが前に出ている "Nuovo sentimento" やバラードの "Vedrai" などが気に入っています。ジャケ写でも分かるように美人で声もいいのでこれから人気が出るのではないかと思います。

Meglio
I Cugini di Campagna / Il meglio (1996) Fonit Cetra, CDP 812. ( 全16曲)

1970年代後半に活躍していた Ivano & Silvano Michetti 兄弟を中心とした Cugini di Campagna のベストアルバム。LP時代に Fonit Cetra の廉価盤レーベルから出ていたベスト盤 "Un'altra donna" と "Il Meglio" の2枚から重複曲を除いた全16曲が収録されており、ジャケットも "Il Meglio" のものが使用されています。このバンドの特徴はコーラスだけでなくリードヴォーカルもほとんど全編ファルセットで歌っていることで、優しく流れるようなメロディーに美しいヴォーカルハーモニーが絡むといった作風です。彼らの代表曲の "Anima mia" "Innamorati" "Un'altra donna" などがオリジナルバージョンで収録されているので、最近発売されている再録・リミックスバージョンにしっくり来なかった人にもおすすめできます。

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アルバム・カバー	アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
	Claudio Baglioni / A-LIVE (1998) Columbia, COL 491807 2. (全43曲) イタリアを代表するカンタウトーレ Claudio Baglioni の最新ライブアルバム。"Anthologia dal vivo" とあるようにライブ音源による3枚組ベストアルバムとなっています。1枚目は1982年のライブアルバム "Alé-oó" と1986年のライブアルバム "Assolo" からの15曲が、2枚目は1992年のライブアルバム "Assieme" "Ancorassieme" と1996年のライブアルバム "Attori e Spettatori"からの14曲が、3枚目は1998年のシングル "da me a te" の発表ライブ "Allo stadio" からの13曲と未発表曲 "arrivederci o addio" の14曲が収録されています。各CDともに収録時間が77分前後あり、入門用にはボリュームがありすぎるかもしれませんが、彼の代表曲のほとんどを聞くことができるのでとてもお徳なパッケージとなっています。内容も彼の優れたメロディーメイカーとしての実力を示す選曲となっており、また会場と一体となった盛り上がりを見せ、彼の人気の程を伺い知ることができます。個人的には1枚目の "Ninna nanna nanna ninna" や3枚目の "Acqua dalla luna" New Trolls がカバーしたことでも有名な "Poster" などが気に入っています。デジパック仕様で、各ライブツアー時の写真を満載した38頁ブックレット付きです。
	Alice / exit (1998) WEA, 3984 24879 2. (全13曲) すでにイタリアを代表する女性ヴォーカリストとなっている Alice の最新アルバム。全体的には Francesco Messina と組んで以来の曲調ですが、近作で聴かれたアンビエント色が後退し、以前のドラマチックな作風が戻ってきています。また、約半数の曲を本人が共作を含め自作しており、キーボードも5曲ほどで弾いています。。彼女の魅力はその歌声で、低音部で張りのある非常に落ち着きのあるヴォーカルを聴かせてくれます。2曲目の "Open your eyes" は Juri Camisasca と Peter Hammill の作詞で Morcheeba の Skye Edwards (この人どういう人か知りません) がヴォーカルで参加しています。また、ラストの "L'Étranger" はタイトル通りフランス語で歌われています。ますます円熟した Alice の魅力が満載されたアルバムになっていると思います。
	Nuova Compagnia di Canto Popolare (NCCP) / Pesce d"o mare (1998) EMI, 7243 4 94099 2 7. (全12曲) イタリアのコンテンポラリートラッドグループ NCCP の最新スタジオ盤。彼らは1992年に「東京の夏」というイタリアのクラシック音楽祭の一環として来日公演を行なったことがあります。来日公演では完全にアコースティック編成でしたが、最近はコンテンポラリー色が増しエレクトリックベースやキーボードも積極的に取り入れていて、よりダイナミックな作風になっています。本作では多数のゲストが参加しており、"Pesce d"o mare" にはヴォーカルで、"Festa d"o sole" にはヴォーカルとバイオリンで Angelo Branduardi が参加しています。ほとんどが自作曲となっており、トラッドのアレンジものは "Tarantella del gargano" と "Voccuccia de no pierzeco" の2曲にとどまっています。ケルト系ばかりが取り沙汰されるトラッドものですが、イタリアにも優れたトラッドグループが多数あるので興味のある方はぜひお試しください。
	Serena / ANIMA SOUL (1997) Carosello, 300 601-2. (全19曲) 若手女性ヴォーカリスト Serena のおそらくファーストアルバム。いわゆるブラックテイスト溢れるダンスミュージックをやっていてイタリア色はほとんどありませんが、出来はいいです。歌詞がイタリア語でなければアメリカあたりの新人といわれても不思議ではない感じの作風です。日本でいうと Misia あたりに近い感じでしょうか。短い間奏曲を挟みながらトータルなアルバム構成になっているようで、そのため曲数は19曲と多くなっています。個人的にはベースが前に出ている "Nuovo sentimento" やバラードの "Vedrai" などが気に入っています。ジャケ写でも分かるように美人で声もいいのでこれから人気が出るのではないかと思います。
	I Cugini di Campagna / Il meglio (1996) Fonit Cetra, CDP 812. ( 全16曲) 1970年代後半に活躍していた Ivano & Silvano Michetti 兄弟を中心とした Cugini di Campagna のベストアルバム。LP時代に Fonit Cetra の廉価盤レーベルから出ていたベスト盤 "Un'altra donna" と "Il Meglio" の2枚から重複曲を除いた全16曲が収録されており、ジャケットも "Il Meglio" のものが使用されています。このバンドの特徴はコーラスだけでなくリードヴォーカルもほとんど全編ファルセットで歌っていることで、優しく流れるようなメロディーに美しいヴォーカルハーモニーが絡むといった作風です。彼らの代表曲の "Anima mia" "Innamorati" "Un'altra donna" などがオリジナルバージョンで収録されているので、最近発売されている再録・リミックスバージョンにしっくり来なかった人にもおすすめできます。