W杯と休日出勤モードが続いたため2ヶ月半振りの更新となってしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?今回はこの間よく聴いていた E.V.A. をはじめとした女性ヴォーカルを擁するバンド物を中心にお送りします。
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数) |
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Eve Versus Adam (E.V.A.) / Fiori di polvere (2006) Ritmica, RTM 010. (全10曲) CD-Text '90年代後半から活動している女性ポップ・ロック・バンド E.V.A. こと Eve Versus Adam のデビュー・アルバム。メンバーは Manuela Dimase (vo), Paola Ferrario (g), Giulia Ferrario (b), Daniela Minerva (key), Laura Ghellere (ds) の5人編成です。オープニングのアルバム・タイトル曲 "Fiori di polvere" からタイトなリズムをバックにコーラスを多用したメロディアスなヴォーカルとロック色の強い演奏を楽しむことが出来ます。特徴のあるコーラスに導かれた "Quando la terra tremeà" でもイタリアらしい叙情を感じさせるメロディをコーラスと対比させながら聴かせるヴォーカルの力量が光ります。波の音に導かれる "Irene" では Pooh を思わせるような巧みなコーラスワークを披露し、しっとりとした曲を哀愁たっぷりに盛り上げています。畳み掛けるような演奏を聴かせる "Si sa che lei lo sa" ではスピード感のある曲にドタバタとしたドラムが絡むところが往年のイタリアン・ロックを想起させます。シンフォニックなアレンジで聴かせる "Profumo di niente" では絡み合うヴォーカルとコーラスにより曲がドラマティックに盛り上がっていきます。アルバム・ラストの "Ci pensi mai" は端正なピアノとストリングスに導かれて哀愁を感じさせるメロディを歌い上げる美しい曲です。ライブでこの演奏やコーラスを再現出来るのならば今後の活躍が相当期待できると思います。ボーナスとしてメンバーの動く姿が拝める "Irene" のビデオクリップが収録されています。 |
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Samuele Bersani / L'aldiquà (2006) Ricordi, 82876843812. (全10曲) CD-Extra 中堅カンタウトーレ Samuele Bersani の約3年振りの6作目となるニューアルバム。今作でもほとんどの曲を彼自身が作詞・作曲しており、彼と共同でプロデュースとアレンジを担当している Roberto Guarino が多くの曲で作曲を共作しています。FestivalBar 参加曲であるオープニングの "Lascia stare" は彼らしいほのぼのとした曲で、ゆったりとしたリズムをバックに口ずさむようなリラックスしたヴォーカルを聴かせてくれます。軽快なドラムに導かれた "Occhiali rotti" では跳ねるようなリズムに乗せて楽しげな歌声を聴くことができます。"Lo scrutatore non votante" は軽快なボサノバのリズムに乗せて初夏の昼下がりを思わせるような軽やかなヴォーカルを聴かせてくれます。"Sicuro precariato" は気だるい感じのヴォーカルと相まって、ギターが紡ぎ出すマカロニ・ウェスタンを思わせるリズムが特徴的です。アルバム・ラストを飾る "Sogni" ではギターの爪弾きをバックに優しい歌声で囁くように歌いかけています。また、曲が終了後2分ほどすると老人によるモノローグが始まり、4分ほど続いた後にエンディングを迎えます。ボーナスとしてアニメーションによる "Lo scrutatore non votante" のビデオクリップが収録されています。 |
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La Camera Migliore / La Camera Migliore (2003) Due Parole, 9807858. (全10曲) 以前セカンド・アルバムを紹介した女性ヴォーカルを擁する若手バンド La Camera Migliore のデビュー・アルバム。メンバーは Georgia Costanzo (vo, cembalo), Davide Miano (ds), Marco Balducci (g, cho), Lorenzo Falteri (b, org), Francesco Fanciullacci (g, el-p) の5人編成となっており、セカンドの時点でベーシストが交替していたことが分かります。オープニングの "Amo quest'uomo" からオルタナ系のヘビィなギターをバックに Giorgia が熱唱するロック色の強い演奏を堪能できます。"L'arrivo su marte" では西部劇を思わせるギターのフレーズをバックに張りのあるヴォーカルを聴かせてくれます。ギターのカッティングをバックにした"Filastrocca" ではセカンド・アルバムにも通じるコケティッシュな歌声で耽美的な音空間を演出しています。ギターの爪弾きに導かれる "Una banda di nani" では囁きかけるような歌い出しから徐々に盛りあがり、サビでのハスキーな歌声での熱唱へと繋がるヴォーカルの対比が印象的です。"Orso" はきらびやかな音色のギターの爪弾きをバックにコケティッシュな歌声を聴かせる哀愁を感じさせる佳曲です。ラストのバンド名にもなっている "La camera migliore" では耽美的なメロディをコケティッシュなヴォーカルが囁くように歌いかけ、サビに向かって一気に歌い上げていくドラマティックな展開が印象的です。 |
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Niccoló Fabi / Novo Mesto (2006) Virgin, 0094635405125. (全10曲) CCCD PFM などのプロデューサーとして知られている Claudio Fabi の息子である若手カンタウトーレ Niccoló Fabi のオリジナルとしては3年振りの5作目となる最新アルバム。全曲彼自身の作詞・作曲となっています。これまでどちらかというとエレ・ポップ風の作風が多かったようですが、今作ではアコースティック楽器の響きを生かしたエキゾティックなアレンジが施された楽曲が並んでいます。オープニングのアルバムタイトル曲 "Novo Mesto (l'aria intorno)" は隣国スロヴェニアの町を歌った曲で、囁くような彼のヴォーカルをアコースティック楽器の懐かしい響きが盛り立てるノスタルジックな雰囲気が印象的です。続く FestivalBar 参加曲 "Oriente" ではマンドリンやバンジョーを加えたアコースティック・アンサンブルと軽やかなヴォーカルとが相まってエキゾティックな雰囲気を湛えています。バンジョーの爪弾きに導かれた "Mettere le ali" ではフルートによるオブリガートを従えた彼の優しげな歌声が印象的です。ピアノによる寂しげなイントロに導かれて始まる "Rapporti" ではほのかにジャズの香りが漂う演奏をバックに囁きかけるようなヴォーカルがノスタルジックな雰囲気を演出しています。アルバム・ラストは英詞による "So lonely" で、ギターの爪弾きをバックにフルートによるオブリガートを交えて語りかけるように歌っています。また、曲が終了した後にアコースティック・アンサンブルによるセッションがシークレット・トラックとして収録されています。 |
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Blume / in tedesco vuol dire fiore (2006) Pippola Music, PIP003. (全10曲) アコースティックを基調として電気的な効果音を配したアンサンブルを聴かせる3人組ユニット Blume のデビュー・アルバム。メンバーは紅一点の Francesca Storai (vo) と Dario Brunori (g, b, key, xilo), Matteo Zanoboni (g, synth, program) となっています。作詞・作曲は全曲 Francesca が担当しています。オープニングの "Piove piano" から Francesca のアンニュイなヴォーカルに絡みつくようなSEとの対比が印象的で、夢想的な音世界を構築しています。続く "E_24" は囁きかけるようなコケティッシュな歌声とバックに流れるキーボードの音色により耽美的な雰囲気が強い曲です。水の滴るようなピアノの音色に導かれる "S" は退廃的な沈み込むような曲に囁くようなヴォーカルが重なるフランスのアンニュイなポップスを想起させるような曲です。テレビゲームのような弾ける電子音に導かれる "Non va bene" は珍しくアップテンポな曲で、コケティッシュなヴォーカルとせっつくようなリズムのとの対比が印象的です。ラストの "Ninna nanna alla regina" は時計の針の音を歌詞に盛り込んだ囁きかけるようなヴォーカルを生かした優しげな子守歌となっています。囁きかけるようなヴォーカル・スタイルの為か曲調のバリエーションが少ないものの個性を感じさせるユニットだと思います。 |
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