アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Gianluca Grignani / Il
Re del niente (2005) Universal, 9871759. (全13曲)
人気中堅カンタウトーレ Gianluca Grignani
のオリジナルとしては約3年振りとなる最新アルバム。全曲彼自身の作詞・作曲で、プロデュースとアレンジも
Massimo Luca, Nicoló Fragile
とともに担当しています。オープニングの "Bambina dallo
spazio"
から彼独特の浮遊感のある歌声で哀愁のあるメロディを絞り出すように歌い上げています。続くアップテンポの
"100,000 giorni fa"
はロック色の強いスピード感のある曲で、彼の少しかすれ気味の歌声がほのかな哀愁を漂わせています。ストリングスに導かれて始まる
"Un giorno azzurro"
は語りかけるようなヴォーカルとゆったりとしたメロディが印象的な叙情的な曲となっています。ロック色の強い
"Chi se ne frega" では Alberto Radius
の独特のトーンの引きずるような音色のギターが堪能できます。チェロの音色に導かれて始まる
"Benvenuto nel gioco"
はイタリアらしい哀愁を感じさせるバラードで、スケールの大きなヴォーカルを聴くことができます。ラストは囁きかけるように歌われる叙情的な佳曲
"Che ne sarà di noi"
で締めくくられています。通常盤の他にコンサートチケットの付いた限定盤もリリースされています。
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Marco Masini / il
giardino delle api (2005) MBO, 3006960. (全12曲)
ベテランカンタウトーレ Marco Masini
の今年のサンレモ音楽祭参加曲を含むニュー・アルバム。今回はロック色の強い曲は少なく、ひたすらドラマティックな曲で埋め尽くされています。1曲目の
"Tutto quello che ho di te"
から叙情的なメロディを哀愁を帯びた歌声でドラマティックに歌い上げています。幾分ロック色のある
"Libera"
でも彼の得意な熱唱型のヴォーカルを堪能でき、単調な感じが無くて良い仕上がりとなっています。リリカルなピアノに導かれた
"Rimani così"
では囁きかけるような歌い出しから徐々に盛りあがっていく様が非常にドラマティックです。サンレモ音楽祭参加曲
"Nel mondo dei sogni" のアコースティク・バージョンでは
Jessica Morlacchi
との息のあったデュエットを聴かせてくれ、オリジナルのゆったりした作風とは異なった瑞々しい感じに仕上がっています。きらびやかな音色のピアノで始まる
"La mia preghiera"
では哀愁たっぷりのメロディをダイナミックに歌い上げ、熱唱型ヴォーカルの醍醐味を堪能させてくれます。ラストのアルバムタイトル曲
"Il giardino delle api"
では語りかけるようなヴォーカルで叙情的なメロディを持った曲を哀愁たっぷりに盛り上げています。真夏に聴くには多少暑苦しい感もありますが、はっきり言って名作だと思います。
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Alberto Fortis / Fiori
Sullo Schermo Futuro (2005) Formica, 3006975.
(全15曲) CD+DVD
'70年代末から活動を続けるベテランカンタウトーレ Alberto
Fortis
の約4年振りとなる最新アルバム。本作でも全曲彼自身の作詞・作曲で、ピアノ、オルガン、ギターの演奏にオーケストラアレンジと多方面で活躍しています。1曲目の
"Mai dire mai" から彼の特徴であるフランスの Jean-Jacques
Goldman
を思わせる独特のハイトーン・ヴォーカルと歌い回しは健在で、フォークロック調の曲と相まって不思議な雰囲気を醸し出しています。続く
"Dentro nel fiume"
でもハイトーン・ヴォーカルの囁きかけるような歌声によって独特の音世界が作られています。呼びかけるように始まる
"Voglia di volare"
ではダイナミックな曲調と彼特有のヴォーカルとの不思議なバランスが印象に残ります。叙情的なメロディを持った
"Innamorata"
では踏みしめるようなリズムに乗せて歌われる囁きかけるようなヴォーカルが哀愁を感じさせます。アルバムタイトル曲
"Fiori sullo schermo futuro"
はフランスのシャンソンのような小粋な感じの曲で、彼には珍しく軽やかなヴォーカルを聴くことができます。DVDの方はスタジオ風景やビデオ・クリップ、ライブなどが収録されています。
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Nek / UNA PARTE DI ME
(2005) Warner, 5050467849624. (全10曲)
人気中堅カンタウトーレ Nek
のオリジナルとしては約3年振りとなるニュー・アルバム。今回は自作曲は半分以下で、ヴォーカリストとしての作品といった趣が強い作品となっています。オープニングの
"Contromano"
では低音部を強調した内省的なロック・サウンドに乗せた彼の男性的なヴォーカルがかすかな哀愁を感じさせます。続くアップテンポの
"Lascia che io sia"
ではリズミカルな曲調にあった軽やかなヴォーカルを楽しむことができます。"Notte
Bastrada"
は囁きかけるように始まり、徐々に盛りあがっていくダイナミック曲で、スケール感のあるヴォーカルが印象的です。ギターの爪弾きに乗せて囁くように歌われる
"Abbracciami"
は染み入るような情感が醸し出されるような仕上がりとなっています。"Va
bene così"
はスピード感のあるロック・ナンバーで、勢いのある彼のヴォーカルを堪能できます。アルバムタイトル曲
"Una parte di me"
は哀愁を感じさせる叙情的なバラードで、彼の男性的な歌声で情感豊かに歌い上げています。今時トータル35分弱という収録時間が逆に潔さを感じさせます。
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Cesare Cremonini /
MAGGESE (2005) Pibedeoro, 5050467881020. (全14曲)
元 Lunapop の若手カンタウトーレ Cesare Cremonini
の約2年半振りとなる待望のセカンド・アルバム。全曲彼自身の作詞・作曲で、演奏でもピアノ、キーボード、ギターなど自身が手掛けています。また、バンド形態だった前作とは異なり多数のゲスト・ミュージシャンを迎えて録音されています。ピアノに導かれて始まるオープニングの
"Maggese"
から語りかけるような軽やかなヴォーカルを聴かせ、意表を突く展開となっています。続く
"Le tue parole fanno male"
でもほのぼのとした曲に乗せてリラックスした歌声を聴かせてくれます。"Marmellata#25"
ではリズミカルなヴォーカルラインときらびやかな音色のバッキングが相まって楽しげな雰囲気が伝わってきます。ギターの爪弾きに乗せた
"Sardegna"
では囁きかけるようなヴォーカルに寄り添うようなバイオリンの調べが印象的です。アルバム終盤はアコースティック・ギターとピアノを中心としたインスト曲が2曲(うち1曲は3部構成)収録されています。パッケージはブックレット付きの3面開きデジパック仕様となっています。
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