暑い日が続いたおかげで更新が遅れてしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今回もバンド物中心になってしまい、ソロシンガー・ファンの方には物足りないラインアップになってしまったかもしれませんが、いずれ新ネタが入り次第紹介していきたいと思いますのでご了承下さい。
アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Le Orme /
elementi (2001) crisler, CCD 3005. (全14曲)
'90年代後半に復活したベテランバンド Orme
の4年ぶりのニューアルバム。メンバーに若干の変動があり、オリジナルメンバーの
Aldo Tagliapietra (vo, b, g), Michi Dei Rossi (ds, per)
に再結成時に加入した Michele Bon (org, key, vo) に新加入の
Andrea Bassato (p, key, vln, vo)
を迎えた4人編成になっています。久々のオリジナルアルバムということもあってか、気合いが入りまくっており、テクニックの向上もあってシンフォニック・ロックとしては
Orme 史上最高の出来となっています。Genesis
を思わせるキーボードオーケストレーションで幕を開け、かつてないほどギターがフィーチャーされているオープニングナンバー
"Danza del vento (prima parte)"
に始まり、たおやかな歌メロに新加入の Andrea
のバイオリンが絡む7分を越える "Il vento, il cielo e la
notte"
に連なっていくなどコンセプトアルバムとしての構成も見事です。また、クラシカルなピアノをフィーチャーした
"Danza della pioggia"
やELPスタイルの攻撃的なオルガンを全面に押し出した "Danza del
fuoco"
など曲調もバリエーションに富んでいて42分ほどのアルバムを一気に聴かせるだけの力量を備えています。完成度の高さからすると彼らの最高傑作と言っていいでしょう。
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Vittorio De Scalzi /
La storia dei New Trolls (2001) Joker, CD 22228.
(全12曲)
'96年の "Il sale dei New Trolls" 以来音沙汰のなかった New
Trolls のリーダー Vittorio De Scalzi (vo, key)
がソロ名義で1998年10月9日に地元 Genova
で行なったコンサートの実況録音盤。お馴染みの元 Latte e Miele
の Alfio Vitanza (vo, ds) の他、Andrea Maddalone (vo, g),
Mauro Sposito (vo, g), Roberto Tiranti (vo, b)
といった若手メンバーを従えて New Trolls
のヒット曲を12曲演奏しています。メンバー全員がヴォーカルをとれるために
Nico Di Palo
の高音パートもカバーし、さらに分厚いコーラスが聴けて、6人編成の頃(Aldebaran
時)を彷彿とさせる絶妙のアンサンブルを聴くことができます。選曲はヒット曲中心ということもあり、'70年代初期の物と'79年以降の作品からとなっており、いわゆるプログレ期の曲は入っていません。ほとんどがライブで定番の曲で占められていますが、今回の目玉はライブ音源初登場の
"Quelli come noi" (Quelli come noi 収録)と "La musica che
gira intorno" (Il sale dei New Trolls
収録)の2曲でしょう。あとはアルバム未収シングルの "Là nella
casa dell'angelo"
が入っていれば個人的には言うことがなかったのですが。何はともあれ、彼らの元気な姿が確認できただけでも価値ある一枚です。
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Luca Barbarossa /
Viaggio di ritorno 2001/1981 (2001) Columbia,
COL501508 2. (全19曲)
既にベテランの域に達したカンタウトーレ Luca Barbarossa
のデビューから20年の軌跡を追ったベストアルバム。新曲3曲にリミックス、ニューバージョン、ライブバージョンを含み、彼の作品を聞き慣れている人にも楽しめる内容になっています。サブタイトルにあるように1981年から2001年までの作品から万遍なく選曲されていますが、レーベルの問題からか初期作品からはライブバージョンが1曲のみとなっています。オープニングの新曲
"Viaggio di ritorno"
はアップテンポな曲に彼の爽やかなヴォーカルが乗る得意のタイプのフォークロック調の曲です。"Zerosei"
はロック色の強い勢いのある曲で、力強さを感じさせるヴォーカルが魅力です。"Nessuno
come noi"
は一転してリラックスした感じの曲で、女性コーラスを伴い彼の甘いヴォーカルが堪能できます。アルバムラストにはファーストアルバムからの
"Roma spogliata"
のライブバージョンが収録されており、観客の歓声と共にアルバムの幕を閉じていきます。個人的には初期のアルバム未収シングル
"La strada nel sole"
をライブバージョンでもいいので収録して欲しかったです。
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Bandabardò / Se mi
rilasso... COLLASSO (2001) Danny Rose, MN30734CD.
(全16曲)
ストリート系バンド Bandabardò
の昨年から今年にかけて行なわれたツアーの模様を収録したライブアルバム。メンバーは
Enrico "Erriquez" Greppi (g, vo), A.M. Finaz (g, cho), Orla
(g, key, cho), Marco "Don" Bachi (b, cb), Nuto (ds), Paolino
(per, key)
の6人編成です。サウンドの方はスパニッシュ色が強く、ラテン系の陽気な曲が中心となっています。"20
bottiglie di vino"
ではスパニッシュなギターとパーカッションが繰り出すリズムに特徴のある音色のキーボードが絡むダンサブルな曲になっています。
"Cuore a metà" は煽り立てるようなドラムスの上を Enrico
のヴォーカルとユニゾンのコーラスが駆け回るのが印象的です。"Succedera'"
はギターのアルペジオに始まり、3拍子のリズムの上を悲しげなヴォーカルが乗る彼らにしては少し変わった曲です。ラストはテンポの速い畳み掛けるような
"W Fernandez" で閉めています。昨年 Torino
に行った時に広場での野外イベントで彼らのライブを見たのですが、観客を巻き込んだ楽しげな演奏が印象的でした。その時の印象と違わない非常に楽しげな雰囲気の伝わってくるライブアルバムになっています。
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Napoli Centrale /
zitte! sta arrivanne 'o mammone (2001) PDG, 503051 2.
(全10曲)
再結成された Napoli Centrale のニューアルバム。メンバーは
James Senese (sax, syn, vo, el-p), Franco Del Prete (ds)
の2人に、サポートメンバーに Rino Zurzolo (ac-b)
とパーカッション・アンサンブルの Alfio Antico, Alfonso
Adinolfi, Berger Campos, Muzuk Shibab, Tommaso Ari
を加えた大所帯で、更にゲストヴォーカルに Lucio Dalla, Enzo
Gragnaniello
などの大物を迎えています。元々ジャズ/フュージョン色の強いバンドだったのですが、本作もブラックミュージックからの影響の強いファンキーな作品になっています。ジャズロックといっても
Arti & Mestieri
のようなスリリングなインタープレイを得意とするタイプではなく、もっとリラックスしたルーズな感じを得意としています。1曲目のタイトル曲
"zitte! sta arrivanne 'o mammone"
からリズムを強調したアレンジに James
のファンキーなヴォーカルとサックスが乗るスタイルが確立されています。音楽性からいってほとんどイタリア色は感じられないのですが、バンドとしての個性ははっきりしていると思います。イタリアンポップスというよりもブラックミュージック・ファンにお勧めしたい一枚です。
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