アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Plastico / sensibile al
tatto (2001) Universo, US022/CD. (全13曲)
昨秋、掲示板で期待の新人として紹介した Plastico の待望のファーストアルバム。デビューシングル "Strani
sintomi" 時には Diana Tejera (g, vo) と Irene Boreggi (g, cho)
のギター・デュオだったのが、本作では Stefano Galafate (b), Raffaele Venturi (ds)
のリズムセクションを加えた4人編成になっています。オープニングの "Paranoia"
では新加入のリズムセクションが活躍する内省的なロックサウンドを聴かせ、Carmen Consoli を彷彿させる Diana
のルーズなヴォーカルを盛り上げています。一転して続く "Caleidoscopio"
は跳びきりポップなナンバーで、スピード感のある曲を弾けるようなヴォーカルが楽しげに歌っています。1st シングルだった "Strani
sintomi" はストリングスが飛び交うアレンジが印象的なギターポップの佳曲です。また、2nd シングルだった "Tubo"
はアップテンポな曲にキュートで早口のヴォーカルが乗り、時折顔を見せるブラス隊が曲の要所を引き締めています。ラストの "Su di me"
は叙情的なバラードで、ストリングスとギターのカッティングをバックに物憂げなヴォーカルを聴かせてくれます。全体としてはそれほどイタリア色が強いバン
ドではないのですが、曲調もバラエティーに富んでおりデビュー作としてはかなりの出来になっていると思います。今後の活躍が楽しみなバンドの一つです。
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Üstmamò / Tutto bene
(2001) Virgin, 7243 810152 2 3. (全12曲)
浮遊感のある独特のサウンドが印象的な Üstmamò の3年ぶりのニューアルバム。メンバーは Mara Redeghieri
(vo), Luca Alfonso Rossi (b), Ezio Bonicelli (vln, g), Simone Filippi
(g) の4人で、前作まで参加していた Marco Barberis (ds) は脱退したようです。1曲目の "Come me"
から囁くような Mara
のキュートなヴォーカルが全開で、エフェクトのかかったギターの音色と相まってイマジネイティブな音空間を作り上げています。"Lunga vita"
はディストーションのかかったギターの上をシャウト気味のヴォーカルが乗る彼らにしては珍しいロック色の強いナンバーです。"Brava &
buona" はフレンチ・ポップスを思わせるオシャレな曲で、アンニュイなヴォーカルと浮遊感のあるアレンジが印象的です。"Nell'aria"
はレゲエのリズムの上をストリングスが飛び交い、Mara のややコケティッシュなヴォーカルがキュートに歌い上げるのが印象的です。また、"Tre
volte noia" ではゲストの男性ヴォーカルとのデュエットを披露しています。ラストの "Mi fai" ではシンプルなバッキングに
Mara
の物憂げな歌声が溶け込んで、静かに幕を閉じていきます。イタリア色はそれほど感じられないものの、ヨーロッパ的な美意識が全体的に貫かれた作品になって
います。
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Agricantus / Ethnosphere
(2001) Compagnia Nuove Indye, CNDL13200-I・II. (全17曲)
イタリアを代表する非ケルト系コンテンポラリー・トラッド・バンド Agricantus のニューアルバム。メンバーは Tonj
Acquaviva, Mario Crispi, Giuseppe Panzeca, Mario Rivera, Rosie
Wiederkehr
の不動の5人で、多数のゲストを迎えて制作されています。本作では地中海から北アフリカにかけてのトラッドのテイストをふんだんに盛り込んだオリジナル曲
が2枚組フルボリュームでたっぷり詰め込まれています。オープニングの "Pinseri" は北アフリカを思わせるゆったりとしたリズムに
Rosie のアラブ色のあるコーラスが絡む静かな曲になっています。基本的には Rosie
の幻想的なヴォーカルを主体としたサウンドですが、曲によっては Tonj
がリードヴォーカルを取ったりしてバリエーションを付けており、トラッド物にありがちな単調さとは無縁の仕上がりとなっています。また、ほとんどのメン
バーがメインの楽器以外にも複数の民族楽器を使いこなす他、電子楽器も大胆に導入するなど伝統と現代性を見事に融合したオリジナリティのある音作りに成功
しています。トラッドの持つ泥臭さが苦手な人にもお勧めできる洗練された作品に仕上がっていると思います。
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I Camaleonti / Amicizia
& Amore (1974) CGD east west, 8573 81105-2. (全8曲)
イタリアンロック最古参バンドの一つ Camaleonti の1974年作のCD再発盤(2001年リリース)。当時のメンバーは
Gerry (b), Livio (vo), Bolo (ds), Tonino (key), Dave (g)
の5人編成で、初期のビートサウンドとは異なり当時の Pooh
の成功の影響を受けたのか、典型的なラブロック作品に仕上がっています。オープニングの "Amicizia e amore"
では冒頭からストリングスの洪水が聞かれ、叙情的なヴォーカルの掛合いが哀愁感を盛り上げています。"Amico di ieri, amico
perduto"
は7分弱の大曲で、ギターのコードカッティングに乗せてコーラスを主体としたヴォーカルが爽やかに歌い上げるシンプルながら印象的な曲です。
"Pensa" は Livio のリードボーカルに美しいコーラスが絡む小品で、これぞラブロックといった曲に仕上がっています。"Conosco
questo gioco, l'amore"
は彼らにしては複雑な曲構成を持った曲で、叙情的な曲調が一転してゴスペル風のコーラスへと展開し、再び叙情的な弾き語りへと回帰します。"Dove
curva il fiume"
はストリングスをバックにコーラス主体のヴォーカルが乗り、途中から畳み掛けるような展開を見せる小品ながらスリリングな曲です。また、
"Gimcana" は10分を越える大作となっており、彼らの当時の意気込みを感じることができます。
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La Torre dell'Alchimista /
La Torre dell'Alchimista (2001) Kaliphonia, KRC025-SIAE. (全9曲)
若手プログレバンド La Torre dell'Alchimista のデビューアルバム。メンバーは Ceraolo
Silvia (fl), Donadoni Davide (b, alto-cl), Giardino Michele (vo, cho,
ac-g), Mosconi Noberto (ds, ac-g), Mutti Michele (key, p)
の5人編成で、キーボード・トリオに専任のヴォーカリストとフルート奏者を加えたエレキギターレスの変則編成となっています。1曲目の"Eclisse"
の冒頭から Festa Mobile
を思わせるピアノの細かいリフで始まり、唸りを上げるハモンドオルガンとドラムの掛合いの合間に叙情的なフルートが絡んでくるところなど思わずニヤリとし
てしまいます。ヴォーカルの声質も良く、各メンバーの演奏技術も水準以上で、特にフルート奏者は流れるようなフレーズから Jethro Tull
を思わせる畳み掛けるような奏法までこなすかなりの実力者です。曲の方もイタリアらしい力業が連発されたかと思うと、引きの美しさも充分兼ね備えていると
いった懐の深さを感じさせ、非常に好感が持てます。予備知識なしで聞くと'70年代の発掘物かと間違うほどイタリアでしか出し得ないサウンドを聴くことが
できます。最近では復活組を含めベテランががんばっている中、非常に期待のできる若手バンドだと思います。
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