アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Laura Pausini / tra te
e il mare (2000) CGD east west, 857384396-2.
(全14曲)
若手実力派No.1女性ヴォーカリスト Laura Pausini
のオリジナルとしては5枚目となるニューアルバム。今回もスペイン語盤が同時に発売されています。本作でも前作同様ほとんどの曲の詞を彼女が共作しています。内容の方はこれまで通り、今流行のR&B
色もなければブラックコンテンポラリーからの影響もほとんど感じられない正統派イタリアンポップスを聴かせてくれます。ルックスにも恵まれ歌唱力も十分以上にあり曲も水準以上の出来になっていますが、欠点といえば意外性がなくあまりにオーソドックスな優等生的な作りになっていることでしょうか。ラテン系の女性ヴォーカルに多くみられるフェロモンもほとんど感じられず、典型的なお嬢様シンガーと言っていいと思います。オープニングの
"Siamo noi"
からいつも通りの張りのあるダイナミックな彼女のヴォーカルを聴くことができます。また、タイトル曲
"Tra te e il mare" は Biagio Antonacci
の作品で、叙情的なバラードに仕上がっています。アルバムラストを飾るのは「ポケモン2000」のサウンドトラックからの
"The extra mile"
で、英語で歌われている感動的なバラードです。本作は9月27日に国内盤(タイトル:
海が見たいの)も発売される予定です。
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Ezra Winston / Ancient
Afternoons (1990) Rock Symphony, RSLN 053.
(全5曲)
1980年代の数少ないプログレッシブロックバンド Ezra Winston
の最高傑作となる1990年リリースのセカンドアルバムがついにCD化再発されました。ベースになっているのはいわゆる中期
Genesis タイプですが、"Photos of Ghosts" 時の PFM
からの影響が感じられるアコースティック色の強い幽玄なサウンドを聴くことができます。組曲形式の曲が多く、10〜25分ぐらいの大曲が大半を占めています。1曲目の
"The Painter and the king"
から管楽器を大々的にフィーチャーした壮大な音世界を構築しており、静のパートでの繊細なイメージとの対比が非常に印象的です。"Night-Storm"
にはゲストで Orme の Aldo Tagliapietra (b, vo)
が参加しています。アルバムラストには未発表のボーナストラック
"Shades of Grey"
がCD化の際に追加収録されています。唯一の弱点は全曲英語詞であることくらいでしょうか。フランスの
Musea レーベル関連のブラジルのレーベル Rock Symphony
からのリリースとなっています。
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Pupo / dal vivo
(Canada's Wonderland) (1994) Disco Più, CDDV 5815.
(全16曲)
1980年代にヒット曲を連発していたポップ・カンタウトーレ
Pupo こと Enzo Ghinazzi
の1991年のカナダはトロントでのツアーの模様を収めた今のところ唯一のライブアルバム。オリジナルは1991年にリリースされたもので、今回紹介するのはレーベルを変えた再発盤となっています。彼はカナダでも人気があるらしく、今年の6月にもカナダでコンサートツアーをしています。オープニングに司会によるナレーションが入る所がいかにもポップス系の歌手のライブ盤らしくていいです。1曲目の
"Lo devo solo a te" では間奏部で挨拶があったり、客席からの
Pupo
コールがあったりとライブ盤ならではの臨場感が感じられます。定番の
"Firenze Santa Maria Novella" や "Un amore grande"
など'80年代のヒット曲が多数収録されており、当時の彼の人気の程が伺い知ることができます。若干収録時間が短いのが難点ですが、会場と一体となった盛り上がりは十分に感じることができます。そろそろ新作を期待したいと思います。
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Goblin / The Fantastic
Journey in the Best of Goblin vol. 1 (2000) Cinevox,
CD MDF 336. (全23曲)
イタリアを代表するホラー/サスペンス映画の巨匠 Dario
Argento の監督作品のサントラを担当していたことで有名な
Goblin の2枚組ベストアルバム。1枚目は Dario Argento
監督作品のトリビュートで映画に使用された曲で占められており、2枚目は何と
"Il Fantastico Viaggio del "Bagarozzo" Mark"
発表時のライブ音源が収録されています。Disk 1
には「サスペリア」「サスペリア2」「ゾンビ」「シャドー」「フェノメナ」など日本でもおなじみの映画のサウンドトラックから多数収録されており、彼らと
Dario Argento との強い結びつきが再認識できます。また、Disk 2
では数少ないオリジナルアルバム "Roller" "Il Fantastico
Viaggio del "Bagarozzo"
からの曲と「サスペリア2」のテーマ曲を含めた8曲が収録されています。録音バランスが若干悪いのが難点ですが正規リリースのライブ音源として貴重です。
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Francesco De Gregori /
PRENDERE E LASCIARE (1996) Columbia, COL 485177-2.
(全11曲)
ローマ派カンタウトーレの重鎮 Francesco De Gregori
の1996年のアルバム。彼は詞の内容を重視するタイプで Bob Dyran
からの強い影響が感じられます。この手のアーティストの場合、一歩間違えると非常に地味な作品になってしまいがちですが、本作ではプロデュースとアレンジを
元 Cervello, Nova の Corrado Rustici
が担当しており、派手さはないものの的を射たよく練られたアレンジが施されていて非常に聞きやすく仕上がっています。1曲目の
"Compagni di viaggio" から
エフェクトのかかったギターの上を彼の渋いヴォーカルが乗るリラックスした雰囲気の曲を聴かせてくれます。"Un
guanto" は早口でまくし立てるような導入部から Rustici
のギターをバックに歌い上げるパートとの対比が印象的です。全体的にベテランらしい燻し銀のような作品に仕上がっています。ところでこのCD、プレーヤにセットすると29曲75分と表示されるのですが、12曲目以降は1分ずつの無音トラックが18個あるだけです。
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