アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Stefano Berghella /
C.R.I.S.A.L.I.D.E. (1999) Polydor, 547 388-2.
(全11曲)
新進カンタウトーレ Stefano Berghella
のファーストアルバム。彼自身がアコースティック・ギターを弾いており、全体的にはフォークタッチな作りになっています。声質はイタリアに多いしゃがれ声ではなく、高音部に伸びのあるさわやかなタイプで、ルックスもいいので若い女性ファンが集まりそうです。オープニングの
"Stella nella notte" は Luca Barbarossa
を彷彿させるフォーク色の強い曲で、バックに流れるキーボードの音色が印象的です。続く
"Direzioni"
はギターを中心にしたアレンジの上を伸びのあるヴォーカルが乗る哀愁のある曲で、次の
"Ragione sufficiente" に切れ目なく続いていきます。"Aria non
c'è"
はピアノによるシンプルな伴奏の上を切々と訴えかけるようなヴォーカルが乗るバラードで、後半の曲展開が少し変わっていて面白いです。全曲彼自身の作詞・作曲で曲のバリエーションも豊かなので、今後が期待できるアーティストだと思います。
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Verdena /
Verdena (1999) Black Out, 546 291-2. (全12曲)
3人組のロックバンド Verdena
のデビューアルバム。メンバーは Luca (perc), Roberta (b, g,
syn), Alberto (g, vo, syn)
で、名前からするとベースは女性のようです。肝心の音の方ですが、最少編成ながら疾走感溢れるパワフルなロックサウンドを聴くことができます。1曲目の
"Ovunque"
から、パワー全開のギターとドラムが暴れ回る迫力のあるロックサウンドを聴かせてくれます。"Valvonauta"
はシンプルなアレンジながら、Alberto
のヴォーカルの魅力が引き出されたロックンロールナンバーになっています。"L'infinita
gioia di H.B."
は唸るようなヴォーカルが印象的な曲で、中間部では短いながらも魅力的なギターソロを聴くことができます。続く
"Vera"
はスローバラードで、押さえた演奏もできる所を見せてくれます。"Caramel
pop"
はこの手のバンドには珍しくインストナンバーで、ベースが前にでたリズムを強調した曲になっています。ラストの
"Eyeliner"
は7分近い大曲で、ヴォーカル中心ながら巧みな曲構成が光る力作です。その他の曲もイタリア色はあまりないもののストレートなロックを聴かせてくれて、奇をてらった所のない非常に痛快な作品に仕上がっています。
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Ginevra Di Marco /
trama tenue (1999) edel, ERE 58732. (全10曲)
オルタナ系ロックバンド C.S.I. (Consorzio Suonatori
Indipendenti) の紅一点 Ginevra Di Marco
のファーストソロアルバム。作詞は共作を含めて全曲彼女自身が手がけています(作曲は全曲
Francesco Magnelli)。1曲目の "Canto di accoglienza"
は気だるい雰囲気のヴォーカルで静かに始まるミステリアスな曲で、エフェクトのかかったギターを中心とした演奏の上にコーラスを多用して曲を盛り上げています。続く
"Lilith"
は一転してノイズが流れ続ける上に低音部を生かしたドスの利いたヴォーカルが乗る曲で、こちらはバンドの音楽性を引きずった感じに近いと思います。タイトル曲の
"Trama tenue"
はアコースティック・ギターを中心としたアレンジの上をファルセットを含むヴォーカルが絡む、フォーク色のある曲になっています。"Le
grandi scoperte"
は気だるい感じの曲で、つぶやくようなヴォーカルが印象的です。曲調によって声の表情が結構変わるので、曲により好き嫌いが分かれそうなタイプですが、一聴の価値はあると思います。
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Bluvertigo /
Zero (1999) NOYS, COL 495071 2. (全16曲)
以前紹介した Juri Camisasca の "arcano enigma"
でバックを務めていた Bluvertigo のサードアルバム。メンバーは
Morgan (Marco), Andy, Livio, Sergio
の4人で、各人数種類の楽器を担当しています。サウンドの傾向はいかにも
Battiato
の系譜らしいアバンギャルド色のあるポップスで、しかもヒットチャートに登場するくらいにポピュラリティがあります。アルバムのイントロとなる1曲目の
"Versozero" には Mauro Pagani
がバイオリンでゲスト参加しています。続くタイトル曲 "Zero" は
Battiato
を思わせるエレクトロニクス色の強い演奏の上をクールなヴォーカルが乗るナンバーになっています。"Sovrappensiero"
では御大 Franco Battiato
がヴォーカルと俳句で参加しており、師弟競演が実現しています。"Autofraintendimento"
では Mauro Pagani と Davide Rossi
のツインバイオリンがアップテンポな曲に花を添えています。"Saxs
interlude"
では日本語によるニュースナレーション(環境問題について)が流れるなど笑わせてくれます。アルバムのラストを飾る
"Punto di non arrivo" では、曲の最後に師匠の Battiato
がラストヴォーカルで曲を締めくくるといった凝りようです。
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Patrizio Martucci /
Europa (1998) Giungla Records, NR 21122. (全10曲)
Patrizio Martucci
の5年ぶりとなるセカンドアルバム。サウンドの方はロック色が強く、イメージ的にはカナダ出身のロックンローラー
Bryan Adams
に似たタイプです。アルバムの半分ほどの曲で彼自身が作詞を担当しています。アルバムのオープニングを飾るタイトル曲
"Europa"
ではしゃがれ声を生かしたパワフルでアップテンポなロックナンバーに仕上がっています。続く
"Diversi da noi" は Bryan Adams
を彷彿とさせるロックバラードで、スケールの大きいヴォーカルを聴かせてくれます。"Cambiera'"
は静かに始まりサビの部分で一気に盛り上がる曲で、ヴォーカルの瞬発力が楽しめます。"Voglia
di musica"
は力強いヴォーカルが聴ける正統的なロックナンバーで、アルバムラストでライブバージョンも収録されています。"Se
il mondo non ci bastasse più"
はじっくりヴォーカルを聴かせるバラードナンバーで、キーボードオーケストレーションが曲を盛り上げています。
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