コンサートに行ってきました(Veneto 州編)

30/09/2006 更新

 2006年9月に北東イタリアの Veneto 州へコンサートを見に行ってきましたので、その時の模様を紹介します。今回は今年デビュー40周年を迎えた Pooh のコンサートを見ることを目的に9月上旬のイタリアへの旅を計画しました。
 5月7日にイタリアのオンライン・チケット販売の大手 TicketOne を覗いてみると、7月から今年の夏のツアーが始まる旨の告知があり、7月10日の Brescia での公演が載っていました。5月22日には7月前半のツアー日程が掲載されるようになり、5月23日には最終公演である Verona でのコンサートのチケットが発売になりました。残念ながら今年は仕事が8月末にならないと一段落しない予定だったので、9/9の Verona でのコンサートが町の中心部の円形劇場 Arena で行なわれるとのことなので、この日に当日会場のチケットブースで受付番号を提示してチケットと引き換えるオプションで注文しました(注:TicketOne は住所にチケットを送るか当日会場のチケットブースで受付番号を提示してチケットと引き換えるかの2つのオプションがあります)。
 さらに、日程の近い北東イタリアのコンサート日程を検索にかけてみると Gianna Nannini の9/7の Vicenza でのコンサートもチケットの取り扱いもある予定だと判明しました。そうこうしている内に6月13日に Gianna Nannini のチケットが発売になったので 当日会場のチケットブースで受付番号を提示してチケットと引き換えるオプションで注文しました。


Gianna Nannini のコンサートチケットの半券

【Gianna Nannini】Milano 到着の翌日 (9/7) に Gianna Nannini のコンサートが Vicenza で行なわれるので、昼前に Vicenza に向けて出発。2時間10分ほどで Vicenza に到着した後、ホテルにチェックインして荷物を置いてから遅めの昼食をとり、町をぶらついた後に会場の下見に行きました。会場は Vicenza の町の中心部にある Basilica に沿った細長い広場 Piazza dei Signori の北東側に設営された特設ステージで行なわれました。
(Piazza dei Signori [Vicenza] への交通)
Milano Centrale 駅から Venezia 方面へ IC で約2時間10分で Vicenza 駅へ
Vicenza 駅前から延びる Viale Roma を直進して突き当たりを右折して、町の城門を抜けて大通りの Corso Andrea Palladio を直進し、Contra' Cavour Camillo Benso を右折
バスを利用した場合、駅前のバス1, 5番に乗り Piazza Giacomo Matteotti で下車し、Corso Andrea Palladio を南西に進み、Contra' Santa Barbara を左折

 TicketOne の情報では21:30開演となっており、チケットは開演1時間前から会場のチケットブースで受け取ることになっていたので、軽く食事をした後20:30頃に着くように出かけたのですが、既に開場していました。広場周辺の通路は入口に使われる Contra' delle Morette 以外は閉鎖されており、入口のチケットブース(テント)でチケットを受け取った後スムーズに入場できました。広場でのコンサートなので当然スタンディングだったので、ステージ全体を見渡せるポジションを確保すべくあちこち動いたのですが、前の方に背の高い人が多く次から次に人が前方に押し寄せてきたので予定よりステージ寄りに押しやられ、そうこうしている内に21:45に幕が開きました。
 チェロを含む5人編成のバンドを従え、曲によっては Gianna 自身がギターを弾いていました。2月に出た新譜 "Grazie" からの曲を中心にステージは進行していき、代表曲 "I Maschi" や "Latin lover" などを交えたベスト選曲をハスキーで迫力のある歌声で歌い上げ、シンプルなステージ上を所狭しと駆け回り堂々としたステージングを見せつけてくれました。とても今年50歳を迎えたとは思えないほど若々しく力強いステージングはさすがヨーロッパを代表する女性ロッカーだと思わせるものでした。観客は若い世代を中心に幅広く集まっており、ヒット曲が始まると会場中が合唱するというイタリアらしい野外ライブでした。本編は1時間10分ほどで終了し、アンコールも2回やったのですが、1回目の終了時にはメンバー全員が G.R.A.Z.I.E. の文字が一文字ずつ入った黄色いTシャツを着て表れるという演出もありました。結局終了したのは23:30頃で、町の中心部の広場でのコンサートとしては結構遅くまでやっていたと思います。前日の9/6に FestivalBar 2006 で「アルバム賞」を受賞したこともあり、乗りに乗ったステージを楽しむことができました。


Gianna Nannini のコンサート会場
Piazza dei Signori (Vicenza)


ステージ上の Gianna Nannini


Pooh のコンサートチケットの半券

【Pooh】9/9は今回の旅行のメイン・イベントである Pooh の コンサートが Verona で行なわれるので、昼前に Vicenza を出発。40分ほどで Verona に到着し、町の中心地 Piazza Bra' についた頃には会場である Piazza Bra' の北東部に位置した古代遺跡の円形劇場 Arena の入り口付近に Pooh のロゴを付けたトレーラーが止められていました。ホテルにチェックインして荷物を置いてから遅めの昼食を Arena 近くでとっていたところ、14:00を過ぎた頃から Arena の方から聴き覚えのある曲が聞こえてきました。なんとそれは事前に入手してあった今回のツアーのセットリストのオープニング曲 "Rotolando respirando" でした。それもどう考えても生演奏!いよいよリハーサルが始まったようです。
 会場の Arena は一般公開(有料)されているのでリハーサルが見学できるかも知れないと思い Arena に行ったところ、18:00までは Arena を一般公開しているとのことで、急いで入場して Pooh の公開リハーサルを見ることができました。

(Arena [Verona] への交通)
Milano Centrale 駅から Venezia 方面へ IC で約1時間40分〜2時間で Verona Porta Nuova 駅へ、Verona Porta Nuova 駅からは 駅前からバス11, 12, 13番に乗り、Piazza Bra' の南側で下車
広場の北東部に位置した古代遺跡の円形劇場が Arena

(Pooh 公開リハーサル) 

 Arena 内に入った頃には2曲目の "Giorni infiniti" もエンディングを迎え、3曲目の "Amici per sempre" が始まっていました。会場はステージ寄りの前方ブロックの所でロープが張ってあり、あまり前には行けなかったもののステージ全体を見渡せる中央通路のあたりで見ることができました。
 本番のセットリストは後で記しますが、リハーサルではオープニングの "Rotorando respirando" から5曲目の "Stai con me" までは続けざまに演奏されました。リハーサルは休憩を挟みつつ進行し、完奏する曲はフル・コーラス、メドレーの曲は通しで演奏し、リハーサルとは思えないほど曲を堪能できました。また、インスト・メドレーでは "Risveglio" での Dodi のスティール・ギターの演奏や、"Parsifal (parte 2)" での Stefano のフルートと Red のリコーダーの掛合いなど本番さながらの演奏を楽しむことができました。結局、楽器構成を一通り確認するためかメドレーを含めて14曲も聴くことができました。私を含めて多くのファンが日差しの強い晴天の午後にも関わらず、直射日光を浴びながらリハーサルが終了するまでほとんど帰ることなく見学してました。
 こうして公開リハーサルは約2時間かけて16:00過ぎに終了しました。今回はコンサート・メインということもあり、とりあえず市内見学はせずにホテルに戻り、コンサート本番に向けて鋭気を養うことにしました。


Pooh のコンサート会場
Arena (Verona) 内のステージ


Pooh のリハーサル風景(全景)
左から Red, Stefano, Roby, Dodi


"La gabbia" を演奏する Pooh
左から Dodi, Stefano, Roby, Red


"Risveglio" でスティール・ギター
を演奏する Dodi (左端)


"Parsifal (parte 2)" でフルートを吹く Stefano (中央)と
リコーダーを吹く Red (右隣)


"Uomini soli" で白ピアノを弾く Roby と
ドラムパッドを叩く Stefano (中央)

(Pooh コンサート本番)

 さて、TicketOne の情報では21:00開演となっており、会場に貼ってあったポスターでも21:00からとなっていたので、チケットは開演1時間前から会場のチケットブースで受け取ることになっていたのと、今回は指定席が設定されておりこれを確保してあったので20:00過ぎに会場へ向かうことにしました。
 当日の朝、
テレビの天気予報で夜は気温が低くなると言っていたので、雨対策で持ってきた防雨ジャケットを持って出かけました。Piazza Bra' に面したセルフサービスで軽く食事をとった後、Arena に到着すると既に各入場口から広場にかけて行列が出来ていて、Arena に設置されたチケット・ブースでチケットを受け取ってから自分の席種の入場口の列の最後尾に並びました(Arena は入場口が複数あり、席種によって異なる入場口が設定されていました)。開場はほぼ時間通り 20:00過ぎに始まりました。
 会場内に入ると Pooh Store の出張ショップがコンサート・グッズを売っていたので、どんなものかと覗いて見ると新作のTシャツ(アルバム・タイトルが列挙してあるやつ)があったのでゲットした後、座席に向かいました。この会場も前回同様、座席の並び方が日本人の常識からかけ離れており、中央の通路を挟んで左右に奇数と偶数に分かれていて、更に中央部から外に向かって番号が付けられていました。今回は前から2列目のステージ左端近くという座席だったので、主に Red を間近に観ることができました。
 21:15過ぎになって開演し、初めはステージ後方に設置されたスクリーンに今回の千秋楽公演のために用意された Pooh の曲を歌う人々のビデオが次々と映し出され、本編は21:30頃になってようやく始まりました。オープニングは懐かしい "Rotolando respirando" から始まり、"Giori infiniti" "Amici per sempre" といったスリリングなナンバーを続けざまに披露しました。Red のMCの後、Red のフレットレス・ベースに導かれてこれまであまりライブではやらなかった "Il ragazzo del cielo (Lindbergh)" をスクリーンに月を映しながら演奏したり、"Per te qualcosa ancora" では Dodi がギターをマンドリンに持ち替えての演奏を堪能しました。また、誰がヴォーカルを担当するのか気になっていた "Opera Prima" からの "Tutto alle tre" は Stefano がリードをとっていたのが印象的でした。リハーサルでも観たインスト・メドレーの後は Roby の白ピアノの弾き語りによる "In concerto" とそれに続くアカペラの "Solo voci" といったしっとりとした歌を聴かせてくれ、メドレーを挟みつつ感動的なステージは進行していきました。本編の最後は今回のツアー・タイトルにもなっている "La grande festa" で幕を閉じました。
 アンコールはまずは Red のMCにより Rock No War の活動でこの5月に Sri Lanka に支援金を持って行ったときのビデオの紹介があり、それに続いて優勝した今年のW杯の応援ソング "Cuore azzurro" をレコーディングの映像をスクリーンに映しながら演奏しました。その後は初期のヒット曲をふんだんに盛り込んだ怒濤のヒット・メドレーを披露し、一気に大団円に向かって行きました。ライブ終了時には Rock No War の活動で今度は Sierra Leone を支援するための募金を呼び掛けていました。

La Grande Festa Tour 2006 - Estate
Arena di Verona セットリスト

(本編)
01. Rotolando Respirando
02. Giori infiniti
03. Amici per sempre
04. Buona fortuna
05. Stai con me
 (Red Canzian MC)
06. Il ragazzo del cielo (Lindbergh)
07. Io sono vivo
08. Se nasco un altra volta
09. Cantero' per te
10. Pronto buongiorno e' la sveglia (07〜10 メドレー)
11. Viva
 (Roby Facchinetti MC)
12. Per te qualcosa ancora
13. L'altra donna
14. Tutto alle tre
15. Stare senza di te
16. Cosa dici di me
17. In diretta nel vento
18. Ci pensero' domani
19. Noi due nel mondo nell'anima
20. La donna del mio amico
21. Tu dov'eri
 (Dodi Battaglia MC)

22. La gabbia
23. Risveglio
24. Parsifal (parte 2) (22〜24 メドレー)
 (Roby Facchinetti MC)
25. In concerto
26. Solo voci
27. 50 primavere
28. Alessandra
29. Nascero' con te (28〜29 メドレー)
30. Uomini soli
 (Stefano D'Orazio MC)
31. Capita quando capita
32. Dimmi di si (31〜32 メドレー)
33. Non siamo in pericolo
34. La grande festa

(アンコール)
 (Red Canzian MC)
35. Cuore azzurro
36. Vieni fuori
37. Piccola Katy
38. Dammi solo un minuto
39. Cercando di te
40. In silenzo
41. Notte a sorpresa
42. Pensiero
43. Tanta voglia di lei (36〜43 メドレー)
44. Chi fermera' la musica
45. Goodbye

 今回の Verona での公演は事前にホームページにも告知があったのですが、ツアー最終日ということもありスペシャル・バージョンということだったので、最初に40周年を記念したファンによるビデオ・コラージュで始まり、40周年記念盤のベスト盤 "La Grande Festa" のツアーらしく各年代の曲をふんだんに盛り込み、途中メンバーのMCを挟みつつものすごいボリュームのステージが進行していきました。"Pensiero" や "Tanta voglia di lei" といった代表曲では会場中から大合唱が沸き起こり、彼らの人気の高さを改めて実感しました。憧れの Pooh の生演奏は目を離す間もないほどの圧倒的なステージであっという間に時間が過ぎていきました。本編が終了したのは23:40頃で、そこから怒濤のアンコールが始まりラストは "Goodbye" で感動的に幕を下ろしました。結局終わったのは24:10過ぎで、余韻に浸りながらホテルへと向かいました。

 

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