12/08/2007 更新
2007年8月に北東イタリアの Trieste
へコンサートを見に行ってきましたので、その時の模様を紹介します。今回は今年で第4回目を迎えたTrieste
Rock Summer Festival
を観ることを目的に8月上旬のイタリアへの旅を計画しました。 Trieste Rock Summer Festival チラシ (Piazza Unita' d'Italia
[Trieste] への交通) 【Delirium】第4回 Trieste Rock Summer Festival
の初日、8月3日 (金)
は昨年復活しこの春先にはライブCDをリリースしたばかりの
Delirium
のコンサートでした。ところがこの日は朝から雨模様で、しかも10:00過ぎには雷を伴った豪雨になりそれが3時間以上も続くといった荒れた天気で本番の空模様が心配でした。しかし、夕方には晴れてきて公演の中止もないようだったので安心しました。 21:25にはこのイベントの実行委員から挨拶と3日間の予定などのスピーチがあり、21:30
を回った頃に開演しました。メンバーはライブ盤と同じ5人編成で、少し分かりにくいでしょうが右下の写真の左からRoberto
Solinas (vo, g), Ettore Vigo (key, vo), Martin Grice (fl,
sax, key, vo), Pino Di Santo (ds, vo), Fabio Chighini (b,
vo)
となっています。選曲はライブ盤でも聴かせてくれたファースト
"Dolce acqua" とセカンド "Lo scemo e il villaggio"
からが中心で、アルバム未収シングルや最新シングル曲など新旧取り混ぜて演奏され、シングルのインスト曲
"King's Road" などのレア曲をやったり彼ら最大のヒット曲
"Jesahel"
では会場も歌いまくりで大いに盛り上がりました。また、Martin
が曲毎にフルート・サックス・キーボードと持ち替えたり、ベースの
Fabio
が意外に全面に出て弾むようなうねるベースを聴かせたり、Pino
がドラムを連打しながらリード・ヴォーカルを執ったりと演奏面も充実していました。次回は是非日本で彼らの公演を観たいですね、お願いしますよ
ProgCitta' さんに POSEIDON
さん!そうこうして盛り上がる中、約2時間のステージを終え23:30過ぎに終了、寒さのためかアンコールはなく客も足早に会場を後にしました。22:30を過ぎた頃からは風も強くなり体感温度が20度を切るほどの悪コンディションが悔やまれますが、生で観る
Delirium は最高のライブ・バンドでした。 ステージ全景 Alto Sax を吹く Martin Grice Delirium メンバー全員 Tenor Sax を吹く Martin Grice 【"Clive Bunker" & Lincoln Quartet】2日目の8月4日
(土) はイギリスの重鎮 Jethro Tull の初代ドラマーだった Clive
Bunker と Jethro Tull のイタリアの公認カバー・バンド Lincoln
Quartet
とのジョイント・ライブでした。前日とはうって変わって朝から晴天で気温も高く最高のコンディションであったのですが、前日の教訓もあり上着を持ってライブ会場に向かいました。この日は21:00から
同じ Friuri-Venezia Giulia 州の Gorizia にある "Roland music
school" の出身者で構成されたハード・ロック・バンド Overtures
がオープニング・アクトを務め、約25分間演奏を行ないました。メンバーは
Marco Falanga (g), Daniele Piccolo (g), Luka Klanjscek (b),
Marko Klanjscek (ds), Michele Guaitoli (vo)
の5人編成で、歌詞は全て英語でした。それにしてもプログレ・イベントになぜハード・ロック・バンドを前座に起用したのか疑問です。もっとも、Jethro
Tull
自体もなぜかグラミー賞のヘヴィメタ部門を受賞してはいますが。 "Clive Bunker" & Lincoln Quartet 中央のドラムが Clive Bunker 【New Trolls in Concerto Grosso & Orchestra San Marco
Pordenone】Trieste Rock Summer Festival
の千秋楽となった8月5日 (日)は今回のメイン・イベントとなる
New Trolls の Concerto Grosso Live
です。前日同様、朝から晴れ渡っていたのですが用心のため上着を持って会場へ。19:00過ぎに会場に行ったところステージではサウンドチェックをしていて会場入り口に物販コーナーがあるのを発見。新作のデザインのTシャツをゲットしてからとりあえず腹ごしらえに出発。ところが、この日入った
Pizzeria は手際が悪いのか Pizza
が出てくるまで20分以上かかり、慌てて食事をして会場へ向かう。さすがに
New Trolls
だけあって前日前々日と違って20:30過ぎにはすでに会場のイス席は満杯状態に。完全に出遅れてしまい、仕方がないので中央に設置されたスタッフ用通路脇の柵のところに寄りかかって開演を待ちます。しかし、事前に情報があった通り今回のライブはDVD用のシューティングがあり、撮影の邪魔になるということで通路脇に溜まっていた人はステージ前方に確保してあったスペースの座席に誘導されました、ラッキー!このスペース、撮影用のクレーンが頭上を通るというハンデはあるもののステージに近くいい感じです。コントロール・ブース脇の正面メイン・カメラをはじめステージ右手のクレーン・カメラにステージ近辺に4台のハンディ・カメラと本格的な収録体制で今後のDVD化に期待が膨らみます。 フルートを吹く Vitorio De Scalzi 歌う Vittorio De Scalzi と Nico Di Palo 前日までに比べると若干開演が遅れ、主催者のスピーチに続いて21:45にようやく開演し、来日公演時と同じようにステージの右手にバンド左手にオーケストラといった配置で
Francesco Bellia (b, vo) から順に Mauro Sposito (g, vo),
Andrea Maddalone (g, vo), Alfio Vitanza (ds, vo), Vittorio
De Scalzi (vo, p, classic-g, fl), Nico Di Palo (vo, key)
と登場し、まずはバンドのみで "Nella sala vuota"
を演奏。続いて地元 Friuri-Venezia Giulia 州 Pordenone の
Orchestra San Marco Pordenone
を伴ってコンサート・タイトルにもなっている Concerto Grosso
に突入。指揮者は来日公演でもお馴染みの Stefano Cabrera
が務めていました。新作でも彼が指揮とチェロの演奏を担当していたので当然といえば当然ですね。 Alfio Vitanza のドラム・ソロ チェロを弾く指揮者 Stefano Cabrera Vittorio De Scalzi と Nico Di Palo Nico Di Palo のシャウト Trieste Rock Summer Festival
セットリスト (本編) 07. Concerto Grosso - The seven seasons (続き) (アンコール 1) (アンコール 2) 今回は出演したバンドがいずれもフルートを大々的にフィーチャーして、しかも滑らかで綺麗な音を出すと言うよりはいわゆる
Jethro Tull
タイプの荒々しい音色によるアグレッシブな演奏を得意とするバンドでした。もっとも
"Clive Bunker" & Lincoln Quartet は Jethro Tull
のカバー・バンドでしたが。Trieste
という立地がイタリアの東のはずれで交通アクセスが結構不便という問題はありますが、夏は音楽イベントが目白押しの街のようなので機会があればまた行ってみたいですね。7月中旬から約1ヶ月間
Serestate という企画があり今回の Trieste Rock Summer
Festival もその一環のようですし、8月11日には Formura 3 の
"dedicato a Lucio Battisti" という無料コンサートが同じ
Piazza Unita' d'Italia で行なわれたようです。
Trieste Rock Summer Festival
は主にプログレッシブ・ロック系のアーティストによるイベントで、昨年は7月の末に
Arti e Mestieri, Alan Persons Live Project, Metamorfosi
が参加しており、今年は8月3日から5日までの3日間 Delirium,
"Clive Bunker" & Lincoln Quartet, New Trolls
の3組が参加して Trieste の中心地である Piazza Unita'
d'Italia
で行なわれる予定で入場無料のフリー・コンサートです。Piazza
Unita' d'Italia にある Trieste
の観光案内所にはチラシも用意されていました。それが左下の画像です。
Trieste Centrale 駅から駅前の Piazza della Liberta
を抜け、Corso Cavour を南下して Riva 3 Novembre
の終点を左手。または Via Cellini Benvenutoから Via Ghega
Carlo を通って Via Roma を南下して Piazza Borsa
を抜けて右手
公演開始は21:15からの予定なのでとりあえず腹ごしらえに会場近くの海岸沿いにある
Pizzeria
で食事をし会場に向かったものの、この日は荒天の影響もあり涼しかったのが20:00を回った頃から少し寒くなってきたこともあり、まだ会場に人もまばらだったのでホテルに上着を取りに戻りました。結局会場に戻ったのは20:50過ぎでしたが天気の影響かまだそれほど人は集まっていませんでした。ちなみにプログレッシブ・ロック系のイベントだからか会場には中央に設置されたコントロール・ブースとスタッフ用通路を挟んで両側にイス席が多数設置されていました。ステージ右手の中央寄りの前の方に席を確保して開演を待ちます。
21:30には本編が開演し、まずは Lincoln Quartet
のみの演奏が数曲。Lincoln Quartet のメンバーは Lincoln
Veronese (vo, g), Giacomo Lelli (fl), Manuel Smaniotto (ds),
Iacopo Gobbato (b)
の4人で、ヴォーカルはリーダーでギタリストの Lincoln
がとりフルートは専任という本家とは異なる編成でした。ドラムが
Manuel からClive Bunker へと交替し、本格的に Jethro Tull
のナンバーを演奏していきます。フルートの Giacomo
は20年くらい前の Ian Anderson
のそっくりさんといった風貌で、片足立ちのフラミンゴ奏法もやってくれました。また、Clive
Bunker
は初期の4枚までの参加にもかかわらず本来彼のレパートリーではない幅広い年代に渡る
Tull
のナンバーを演奏するという大人の対応をしてくれて良かったです。個人的には大好きな
"Hunting girl"
が聴けたのが一番の収穫でした。結局本編は23:15過ぎに終了し、アンコールを1曲やった後に23:25頃ライブは終演しました。この日も22:00を過ぎた頃から涼しくなり、終演時には少し寒くなったので上着を持っていって正解でした。
Concerto Grosso の第2楽章 "Adagio (Shadows)" では終盤に
Andrea Maddalone
と第1バイオリンのコンサート・マスターとの掛け合いバトルがあったり、Concerto
Grosso N。2 の第1楽章 "Vivace" では Alfio Vitanza
がドラム・ソロを披露したりと盛り沢山でした。"Let it be me"
ではお約束の Vittorio の咳き込みで中断し、Andrea のギターと
Vittorio
との掛合いという定番のパフォーマンスも聴くことができました。Nico
も来日公演時よりも調子が良さそうで、スタッフの手を借りずにステージを移動しており声もよく出ていたし短いながらもキーボード・ソロを弾いたりしていました。新作からの曲では
"The seven seasons (Ostinato)"
でゲストによるモノローグがあったり、One magic night
(Larghetto)
でソプラノ・ヴォーカルが参加したりとアルバムに忠実に再現していて、日本公演ではお披露目程度だった新曲の数々が完全版として披露されました。日本では2部構成だったものの、今回はぶっ通しでオープニングから
Concerto Grosso
3部作を全曲通して演奏し、24:00過ぎに本編が終了。
引き続きアンコールに突入し、初期のヒット曲 "Una miniera"
と "Signore, Io sono Irish" を演奏し、英語曲の "In St.
Peter's day"
でアンコールも終了しました。それでも自分を含め熱狂する観客は納得せず再度アンコールを要求。再びメンバーが出てきて
"Quella carezza della sera"
のサビを歌って終わろうとするものの、会場はフルコーラスを求めたため再度
"Quella carezza della sera"
を観客の大合唱の中、フルバージョンで演奏し24:30過ぎにようやく全編が終了。ライブの余韻に浸りながら興奮気味にホテルへの帰路に向かいました。
01. Nella sala vuota
02. Concerto Grosso
1. Allegro
2. Adagio (Shadows)
3. Cadenza - Andante con moto
4. Shadows (Per Jimy Hendrix)
03. Concerto Grosso N。2
1. Vivace
2. Andante (Most dear lady)
3. Moderato (Fare you well dove)
04. Quiet seas
05. Le roi soleil
06. Let it be me
07. Concerto Grosso - The seven seasons
1. The Knowledge (Overture)
2. Dance with the rain (Ballata)
3. Future joy - Scherzo
4. High education (Cello cadenza)
5. The seven seasons (Ostinato)
6. One magic night (Larghetto)
7. Barocco 'n' roll (Allegro brioso)
8. Intro and canone
9. Testament of time (Andante)
10. The ray of white light (Rondo')
11. To love the land (Adagio)
12. The season of hope (Piano preludio)
13. Simple Angels (Suite)
14. Ethix (Canzona)
08. Una miniera
09. Signore, Io sono Irish
10. In St. Peter's day
11. Quella carezza della sera
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