アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Angelo Branduardi /
Futuro Antico VI - Roma e la festa di San Giovanni -
(2009) Sottosopra, 8032732380169. (全16曲)
CD-Text
吟遊詩人タイプのベテラン・カンタウトーレ Angelo
Branduardi
が自身のルーツの1つである中世音楽を再現したシリーズの第6弾。第5弾が今年の初めにリリースされたので前作のライブと合わせて早くも今年3作目のアルバムとなりました。このシリーズの第3弾からのつき合いになる
Francesca Torelli 率いる古楽アンサンブル Ensemble Scintille
di Musica
をバックに従え、これまで同様の典雅な中世音楽に新たにトラッド色を加えた独特の音世界を追求しています。オープニングのモノローグと歌を組み合わせた序章
"Le streghe" に始まり、管楽器による典雅なメロディが印象的な
"Coro de Demoni" やバイオリン・ソナタ風の "Gagliarda
V"、リュートの爪弾きが中世的な趣を湛える "Preludio"
などのインスト曲の充実振りは言うに及ばず、チェンバロやフルートをバックにしっとりと歌い上げる
"Cinta di rose"
やチェンバロによるベースラインに乗せて哀愁のメロディを囁きかけるように歌う
"Passacaglia della vita"
などのヴォーカル曲も非常に出来がいいです。また、彼の得意なトラッド色と中世音楽が融合した
"Balletto delle virtu'" や "La vecchia"
などの新機軸も打ち出しており、バラエティに富んだ作風に仕上がっています。
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Ariel / Io Ballo
Sola (2009) Alma di Alessandro Gaydou,
00602527075587. (全12曲)
1989年 Torino 生まれの新人女性ヴォーカリスト Ariel こと
Alessandra Placenti
のファースト・アルバム。収録されている曲の大半はプロデューサーの1人である
Alex Gaydou が手掛けています。オープニングのタイトル曲 "Io
ballo sola"
から軽快なリズムに乗せて落ち着いた歌声を聴かせる軽やかなポップスを聴かせてくれます。続く
"Raggio di sole"
ではロック色豊かなスピード感のある曲をダイナミックに歌い上げています。ギターのコード・カッティングをバックに切々と歌い上げる
"Amore e ruggine"
はフォーク・ロック色の強い曲で、表現力の豊かなヴォーカルを堪能できます。アルバム・ラストの
"Sono io - This is me" はディズニー・チャンネルの映画 "Camp
Rock" の主題歌のイタリア語バージョンで、Damiano Antinori
とのデュエットを聴かせてくれます。全体的にロック色が強く、しかも歌メロがしっかりしている曲が多いので、彼女のダイナミックなヴォーカルが生かされた作品に仕上がっています。キュートなルックスも含めて新世代の女性ロック・ヴォーカリストの筆頭と言ってもいいでしょう。
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Toto Torquati / Vita,
Amore e Musica (2009) Sepel Entertainment - Nuovi
Orizzonti, SEP.NO/01. (全13曲)
'70〜'80年代に Claudio Baglioni
などの作品でアレンジャー/キーボード奏者として活躍した Toto
Torquati の約32年振りとなる最新ソロアルバム。オープニングの
"Inno"
は彼の奏でるキーボードの多重録音による壮大なシンフォニーとなっています。続く
"Dance"
では通常のバンド編成によるフュージョン色の強いテクニカルな演奏を聴かせてくれ、畳み掛けるようなハモンド・オルガン・ソロが印象的です。しっとりとしたピアノをバックにバイオリンがむせび泣くようなメロディを奏でる
"Tema per Giulia"
やイタリア映画に出てくるような軽やかなメロディを持つシンフォニー
"Ritratto"
など曲調がバラエティに富んでおり、インスト作品にも関わらず全く飽きさせないベテランならではの見事な構成になっています。また、9分近い大作
"Sogno"
ではコントラバス/ドラムス/ピアノのジャズ・コンボによるムーディーな演奏を聴かせてくれます。アルバム・ラストは多重録音による軽快なフュージョン・ナンバーであるスペシャル・トラックの
"Vulcano"
で締め括っています。初回盤は3面開きのデジパック仕様となっており、Claudio
Baglioni からのメッセージが記されています。
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Silvia Mattia /
ama! (2009) Odd Times Record, OTR 011. (全13曲)
CD-Text
盲目の新人女性ヴォーカリスト Silvia Mattia
のデビュー・アルバム。オープニングのタイトル曲 "Ama"
から包み込むような柔らかなヴォーカルでしっとりとしたメロディを軽やかに歌い上げています。続くボサノヴァ調の
"Mandami un messaggio"
では囁きかけるような優しい歌声でしなやかなメロディ・ラインを紡ぎ出しています。哀愁のメロディをしっとりと歌い上げる
"Il sogno di riaverti qui" や "Il profumo della vita"
といった全盛期の Riccardo Fogli
を想わせる哀愁全開のラブ・ソングや初期の Alice を想わせる "I
fiori bianchi deserto"
といった'70年代のイタリアン・ポップスの王道を行くような作風が新鮮です。アコースティック・ギターの爪弾きとアコーディオンによるバッキングがエキゾティックな雰囲気を湛えたスパニッシュ・ナンバー
"Miliardi di stelle"
ではほのかな哀愁を漂わせた軽やかな歌声を聴かせてくれます。"Te
voglio bene"
ではワルツのリズムに乗せてしなやかなメロディを表現力豊かに歌い上げています。ラストはユーモラスなメロディを持った
"La giostra dei vorrei"
を楽しそうに歌ってアルバムを締め括っています。イタリアでは珍しい柔らかく穏やかな声質を持った女性ヴォーカリストなので今後の活躍が楽しみです。
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Giovanni Baglioni /
anima meccanica (2009) BAG Music, 88697538412.
(全10曲)
大物カンタウトーレ Claudio Baglioni
の長男でもある若手ギタリスト Giovanni Baglioni
の初リーダー・アルバム。全編彼の奏でるアコースティック・ギターによるインスト作品となっています。オープニングの
"Get up"
はギターの弦を擦る音まで聞こえる繊細な序盤からリズミカルな演奏へとなだれ込んでいく様が爽快で、彼のギター・テクニックが堪能できる曲に仕上がっています。続く
"Pino"
ではアルペジオを主体とした流れるような演奏を聴かせてくれ、弦の響きを大切にした哀愁のあるメロディアスな曲に仕上がっています。"Quando
cade una stella"
はゆったりとしたリズムの上をギターの爪弾きがしっとりとした叙情を紡ぎ出す情感溢れる曲になっています。アコースティック・ギターによるオール・インスト作品ではっきりとしたメロディのある曲もほとんどないため、興味のない人には全く受けいれられない作風ではありますが、この手の作品としては完成度はかなり高いと思います。初回盤はデジパック仕様となっています。
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