ゴールデンウィークに突入し初夏のような陽気が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?今回はベテラン・バンドの新作と大物アーティストのライブ盤を中心にお送りします。
アルバム・カバー
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アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
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Nomadi / allo
specchio (2009) Atlantic, 5051865367123. (全11曲)
CD-Text
今年、結成45周年を迎えるベテラン・ロック・バンド Nomadi
の最新アルバム。メンバーは Beppe Carletti (key), Cico
Falzone (g), Daniele Campani (ds), Danilo Kakuen Sacco (vo,
g), Massimo Vecchi (b, vo), Sergio Reggioli (perc, vln)
の6人で、1999年以来不動のラインアップとなっています。子供の声とバイオリンによる印象的なフレーズで始まるオープニングの
"Lo specchio ti riflette [El espejo te delata]"
ではスペインのロック・バンド Jarabe de Palo のフロントマン
Pau Dones (vo, g) をゲストに迎え、 Danilo
とのイタリア語とスペイン語によるデュエットを聴かせてくれます。続く
"La dimensione"
は女性コーラスを加えたメロディアスなヴォーカル・ナンバーで、終盤のアコースティック・ギター・ソロが印象的です。リリカルなピアノの調べに導かれてドラマチックに歌い上げられる
"Prenditi un po' di te"
ではシンフォニックなキーボードと堅実なギター・プレイが曲を盛り上げています。Massimo
がリードを執る "In questo sileszio"
はスピード感のあるロック・ナンバーで、きらびやかな音色のキーボードが直線的なリズムに華を添えています。また、クラシカルなバイオリンとピアノがしっとりとした歌を的確にサポートする
"Qui"
やバイオリンとアコーディオンによるトラディショナルなフレーズが印象的な
"La vita e'
mia"、ホンキー・トンクを思わせるピアノが大活躍するファンキーな
"Il ballo della sedia"
など曲のバリエーションも豊富で、どのタイプの曲も完成度が高く聴き所が満載です。アルバム・ラストはオープニングの
"Lo specchio ti riflette"
のオリジナル・バージョンが収録されています。
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Stadio / Diluvio
universale (2009) EMI MUsic Italy, 50999 696504 2 0.
(全12曲)
Lucio Dalla
のバック・バンドからそのキャリアを始めたベテラン・ロック・バンド
Stadio の最新アルバム。メンバーは Gaetano Curreri (vo, cho),
Giovanni Pezzoli (ds), Andrea Fornili (g, key), Roberto
Drovandi (b)
の不動の4人で、多数のゲスト・ミュージシャンを迎えて制作されています。重厚なリズム・セクションに導かれて始まる
オープニングのタイトル曲 "Diluvio universale"
は絞り出すようなヴォーカルを聴かせるこれまでになくロック色の強い曲になっています。続く
"Gioia e dolore"
は一転して軽快なリズムに乗せて幾分しゃがれた声で軽やかに歌い上げる爽やかなポップ路線の曲です。"Perdiamoci"
ではギターの多重録音によるきらきらとした音色のリフをバックに切々と歌い上げています。哀愁を帯びたメロディが印象的な
"Cortili lontani" では Stadio へ多くの楽曲を提供している
Saverio Grandi とのデュエットを聴くことができます。"Come
pioggia in mare"
では軽快なギターのコード・ストロークをバックにメロディアスなヴォーカルを聴かせてくれます。また、重厚なロック・ナンバーの
"Benvenuti a Babilonia"
やしっとりとしたメロディを語りかけるように歌い上げる
"Autunno"
など一本調子にならないアルバムの構成も好感度が高いです。若手カンタウトーレ
Fabrizio Moro をゲストに迎えた "Resta come sei"
ではお互いしゃがれ声ながらも声質の異なる2人のヴォーカリストによる絶妙の掛合いを聴くことができます。
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Angelo Branduardi /
Senza spina (2009) Sottosopra - Lungomare,
8032732380114. (全14曲)
中世音楽からトラッドまでこなす吟遊詩人タイプのベテラン・カンタウトーレ
Angelo Branduardi
のオリジナル作品による最新アルバム。今回は1986年12月にアコースティック編成で行なったヨーロッパ・ツアーのライブ音源に新録の未発表曲3曲を加えた作品となっています。オープニングの
"Il denaro dei nani" を筆頭に冒頭の新曲3曲は盟友 Maurizio
Fabrizio
のアレンジによりアコースティック楽器とストリングスが絡み合う全盛期を思わせるドラマチックな曲に仕上がっています。パリのオランピア劇場で収録されたライブ音源では
Angelo Branduardi (vo, vln, g, fl), Bruno De Filippi (sitar,
bouzouki, mandolin, etc), Maurizio Fabrizio (g), Jose' de
Ribamar "Papete" (perc)
の4人によるいわゆるアンプラグド編成によるアコースティック色の強い演奏が収められています。鳥の鳴き声を模したオープニングからリズミカルなパーカッションが乱舞するイントロに導かれた
"La lune [La luna]"
をはじめ数曲は場所柄フランス語バージョンで歌われ、当時のヨーロッパ各国での人気振りをうかがうことができます。選曲も絶妙で、トラッド色が全開の
"Gulliver" や牧歌的な "Il cappello a sonagli"、壮大な子守歌
"L'enfant clandestin [Ninna nanna]"
などいろいろなタイプの曲が万遍なく収録されています。パッケージはCDケースサイズのスリット・イン・タイプの見開き紙ジャケット仕様になっています。
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Alice / Lungo la
strada - Live (2009) Arecibo, 0196245. (全12曲)
ここ10年ほどあまり表だった活動のなかったベテラン女性ヴォーカリスト
Alice の史上初となるライブアルバム。2006年12月22日に Milano
の Basilica di San Marco
で行なわれた公演を収録したもので、メンバーは元 Japan の
Steve Jansen (ds, perc, key, vo) と Alberto Tafuri (p, key,
g, vo), Marco Pancaldi (g, vo) の3人で、Alice
自身もピアノとキーボードを弾いています。オープニングの自作曲
"Gli ultimi fuochi"
からアンビエントな響きを湛えた静謐な音世界をバックに中低音部に特徴のある落ち着いたヴォーカルを聴かせてくれます。控え目なギターの爪弾きに乗せて切々と歌い上げられる
"1943" やシャンソンを想わせるしっとりとした "A' cchiu'
bella"
など大人の女性アーティストらしい落ち着いた楽曲が続きます。その中でもやはり
Battiato のカバー曲 "La cura" や Camisasca が提供した
"Nomadi" が特に印象に残ります。自作曲では "Il contatto"
での張りのある低音部を生かしたドラマチックなヴォーカルが聴き所です。ラストは
Battiato のカバー・アルバム "Gioielli rubati"
でも取り上げていたクールなヴォーカルが印象的な "Prospettiva
Nevski"
で締め括っています。収録曲が12曲で約47分とやや短いのが残念ではありますが、Alice
の元気な姿が確認できる良作に仕上がっています。パッケージは3面開きのデジパック仕様になっています。
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Diorama / L'idea del
SE (2009) La Matricula, LP016. (全11曲)
CD-Text
2003年に結成され、2005年に "...e il vento cade"
でアルバム・デビューした女性ヴォーカル・フロントのポップ・バンド
Diorama の最新作となるセカンド・アルバム。メンバーは
Antonella Colucci (vo), Riccardo Rodio (g), Nicola Farina
(b), Giovanni Francioso (vln), Francesco Sozzi (p, key),
Alessandro Sgura (g), Guido Vincenti (ds)
の7人編成で、全ての曲を作詞 Antonella、作曲 Riccardo
のコンビが書いています。オープニングの "Pescatore d'africa"
からギターの爪弾きをバックに Antonella
のややコケティッシュなヴォーカルがしっとりと歌い上げるドラマチックな展開が印象的です。続く
"Linfa"
は軽快なリズムに乗せてひらひらと舞うようなメロディを囁きかけるように歌われる佳曲です。タンゴのリズムに乗せてミステリアスに歌われる
"Al passaggio delle nuvole"
ではバイオリンとアコーディオンによる掛合いが印象的です。また、レゲエのリズムに乗せて軽やかに歌われる
"Scanzone"
やファルセットを多用して哀愁漂うメロディをしっとりと歌い上げる
"Promettimi"、ワルツのリズムに乗せて軽やかに歌われる
"Lunapiena"
など曲のバリエーションも豊富で、幅広い音楽的なバックグラウンドを感じさせる仕上がりになっています。アルバム・ラストにはボーナス・トラックとして
"Isole e note (una favola moderna)"
のスタジオ・ライブ・バージョンが収録されています。
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