アルバム・カバー
|
アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年)
レーベル名, レコード番号. (収録曲数)
|
|
Gianluca Grignani /
Cammina nel sole (2008) Mercury, 0602517642935.
(全11曲)
Milano 出身のロック系中堅カンタウトーレ Gianluca Grignani
の今年の Sanremo
音楽祭参加曲を含む約2年半振りのニュー・アルバム。全曲彼自身の作詞作曲で、ほぼ全曲でギターも弾いています。また、アレンジは
Pooh の近作でも活躍している Fio Zanotti
で、キーボード類の演奏も担当しています。オープニングの
"Ribellione"
は軽快なギターのコード・カッティングに乗せてややしゃがれた歌声でシャウトする若い頃の
Bryan Adams
を彷彿させるロックナンバーで、中間部で転調してスローダウンするパートを挿入する展開にオリジナリティを感じさせます。続く
Sanremo 参加曲でもあるタイトル曲の "Cammina nel sole"
はゆったりとしたリズムに乗せて朗々と歌い上げる佳曲です。しっとりとしたロック・バラードの"Francy"
は浮遊感のあるヴォーカルによるドラマティックな展開を見せるイタリアらしを感じさせる曲となっています。重厚なコーラス音とバスドラムで始まる
"Tutti gli angeli giu' dal cielo"
ではファンキーなブラスセクションを従えてしなやかなメロディを力強く歌い上げているのが印象的です。しっとりとしたメロディを高らかに歌い上げる
"Vuoi vedere che ti amo"
ではリズミカルなコーラスをバックに伸びのあるヴォーカルを披露しています。"E
mi manchi da morire"
ではハモンド・オルガンを中心としたバッキングがアンビエントな響きを湛え、囁きかけるようなヴォーカルによる憂いを帯びたメロディを引き立たせています。
|
|
Marian Trapassi / Vi
chiamero' per nome (2008) Stay Tuned, 300 007 5.
(全11曲)
2002年にアルバム・デビューした Palermo
出身のカンタウトリーチェ Marian Trapassi
の約4年振りとなるサード・アルバム。ほぼ全曲彼女自身の作詞作曲で、ピアノも自身で弾いています。ノスタルジックな響きを湛えたピアノに導かれたオープニングの
"Lucilla e le altre"
からファルセットと地声を行き交うやや鼻にかかった独特の歌声で歌われるしなやかなメロディが印象的です。深いリバーブのかかったエレピをバックに語りかけるように歌われる
"La stanza di Carla"
では不思議な間を持った個性的なヴォーカルを堪能できます。哀愁を感じさせる音色のアコーディオンに導かれた
"Viola"
では軽快なリズムに乗せて浮遊感のあるヴォーカルを聴かせてくれます。目覚まし時計の音で始まる
"Sofia"
はボサノヴァ調で始まり曲調がコロコロと変わっていく展開の大きなコミカルな雰囲気を持った曲で、楽しげなヴォーカルを聴くことができます。"Maja
(l'amore che cos'e')"
は寂しげな音色を響かせるピアノをバックに切々と訴えかけるように歌われ、染み入るような哀愁を感じさせます。Ornella
Vanoni のカバーである "Vai Valentina"
ではシンプルなギターの爪弾きをバックにしっとりとしたメロディをキュートなヴォーカルで聴かせてくれます。アルバム・ラストを飾る
"A braccia aperte"
は韻を踏んだ歌詞が生み出す独特のリズムが印象的な浮遊感のある曲です。初回盤はブックレットを封入したデジパック仕様となっています。
|
|
Paolo Meneguzzi /
Corro via (2008) Around the Music, 88697278602.
(全12曲)
スイス南部の Lugano 出身の若手カンタウトーレ Paolo
Meneguzzi の今年の Sanremo
音楽祭参加曲を含むニュー・アルバム。ほとんどの曲が Gatto
Panceri
との共作となっていることから以前に見られたR&B色が大きく後退し、純ポップス路線の曲が大半を占めています。オープニングの
"Anche se non vuoi"
はR&B色のやや残っている曲で、リズミカルな演奏をバックに澱みのないヴォーカルで歌い上げる佳曲です。続く
Sanremo 参加曲 "Grande"
は哀愁のあるメロディをしっとりと歌い上げる曲で、メロディの起伏がやや乏しいものの伸びのあるヴォーカルを楽しむことができます。"Corro"
はR&B色が強く押し出されたダンサブルな曲で、リズミカルなメロディラインを力強く歌い上げています。リリカルなピアノに導かれた
"Mai piu' qui"
では染み入るような哀愁を感じさせる叙情的なメロディを情感豊かなヴォーカルで盛り上げてくれます。"Vicina
come un angelo"
では重厚なリズムと艶やかなストリングスを従えた力強いロック・バラードを聴かせてくれます。ギターの爪弾きで始まる
"Abbiamo perso" では Gianluca Grignani
を彷彿とさせる浮遊感のあるメロディを伸びのあるヴォーカルで歌い上げています。アルバム・ラストは切々と訴えかけるように歌われるしっとりとしたピアノ・バラードの
"Angeli" で締め括られています。
|
|
Mietta / Con il sole
nelle mani (2008) Epic, 88697277882.
(本編7曲+ボーナス2曲)
Taranto 出身の中堅女性ヴォーカリスト Mietta の今年の
Sanremo
音楽祭参加曲を含む2年振りのニュー・アルバム。オープニングの
Sanremo 参加曲 "Baciami adesso"
は囁くように始まり、徐々に中低音域を生かしたダイナミックな歌唱を聴かせるドラマティックな展開を見せるのが印象的です。続くタイトル曲の
"Con il sole nelle mani"
ではギターのコード・カッティングに乗せてロック色のある力強いヴォーカルを聴かせてくれます。ややハスキーなヴォーカルで語りかけるように始まる
"Parole fatte a pezzi"
ではサビでのやや力の入ったセクシーな歌声が大人の女の色香を感じさせます。ハードなポップ・ナンバー
"Le parole che non esistono"
ではロック色の強い演奏をバックに疾走感のあるメロディを表情豊かなヴォーカルで歌い上げています。アンビエントな響きを湛えた導入部を持つ
"Quanto ci vorra'"
は徐々にヴォーカルに力が籠もっていってサビで一気に盛り上がるダイナミックな展開を見せる佳曲です。ピアノとハモンド・オルガンがしっとりとサポートする
"Resta qui"
では穏やかなメロディを包み込むような優しい歌声で聴かせてくれます。Sanremo
に合わせて急遽制作されたためかボーナストラックを含めて30分強という収録時間の短さにやや物足りなさを感じますが、逆に言えば彼女の魅力を凝縮した作品とも言える出来になっている思います。
|
|
Francesco Rapetti /
Francesco Rapetti (2008) Avventura, 0188672AVV.
(全12曲)
イタリア一著名な作詞家 Mogol の息子で1979年 Milano
生まれの新人カンタウトーレ Francesco Rapetti の今年の
Sanremo
音楽祭参加曲を含むファースト・アルバム。全曲本人の作曲で、作詞はほとんどが父親の
Mogol
が手掛けています。また、自身で全曲のアレンジを手掛けており、ほとんどの曲でギターやピアノなどの楽器を本人が演奏していて多才なところを見せてくれます。オープニングの
Sanremo 音楽祭参加曲 "Come un'amante" から Lucio Battisti
などの初期カンタウトーレからの影響を感じさせる典型的なフォーク・ロックを展開しています。続く
"Libero come un gabbiano" ではブルース色のある Francesco
Gregori
タイプの渋めの曲をややしゃがれたヴォーカルで歌い上げています。"Robot"
はリズミカルなバッキングに乗せて歌われるブルース・ロック色の強い曲で、シンプルなコード進行と反復されるリズムがグルーブ感を生み出しています。"Nano"
では大地を踏みしめるような力強いリズムに乗せて典型的なフォーク・ロックの曲調を持つメロディが歌われ、サビで時折ファルセットになるヴォーカルに特徴が見られます。"Non
c'e' inganno"
では韻を踏んだ詞により生み出されるメロディの反復が印象的で、ミニマル・ミュージック的な浮遊感を感じさせます。リズミカルなギターに乗せた
"Questo grande pasticcio"
はラテン色のある曲で、軽快なリズムをバックにほのかな哀愁を感じさせるメロディを紡ぎ出すヴォーカルが印象的です。
|